ホーム » 小説 » 小説/さ行 » 最後のクリスマス(筒井康隆)

1691/2:2014/01/31(金) 12:14:51.25
筒井康隆の短編

おれの恋人は芽理(めり)。皆メリーと呼んでいる。
無邪気なメリーは崩れかけた洋館に一人暮らしで、
「あたしの家には暖炉と煙突があるの。サンタさんが来てくれるのよウフフ」
と言っている。

なんだかんだでメリーの言葉は本当だとわかり、、
処女だと決めつけていたメリーが毎年サンタとセックスして、
サンタは子供ができない事を毎回残念がっていると知ったおれは
クリスマスイブに、猟銃を持ってメリーの洋館の屋根に登った。

鈴の音が聞こえ、火傷を負った、
あるいは奇形のトナカイに牽かれた橇でケロイドだらけのサンタが現れた。


1702/2:2014/01/31(金) 12:19:18.61
サンタの暮らす島で数年前に某国が核実験をおこなった、
死ぬ前に次のサンタを作らねば…と哀願するサンタに
おれは猟銃を突きつけ、宝石の詰まった袋を取り上げた。
世界中のメリーのような純真な女をこんな石ころで騙すのか、
と凄むとサンタはうなだれて帰っていった。

おれは数日、宝石の山に埋もれてすごした。
売り払うのはもう少し後でいいかと思ったのだ。
メリーがおれのアパートを訪れたが追い返した。
金があればもっといい女が手に入るし、
おれが童貞だというのに他の男に処女を捧げた女に用はないからだ。

数日後、おれの髪がごっそり抜け歯茎から血が出た。
宝石が放射性同位元素にかわっていたのだ。

 

くたばれPTA (新潮文庫)
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