水の迷路
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662 名前:分けるね・1 投稿日:02/02/06 10:33
- もう何年前になるだろう、火曜サスペンス劇場(藁
あれは伊東四朗主演、伊東四朗かい!?って最初は思ったけど
「水色の迷宮」とかだった、いつになくシンプルな題名に何か期待。場面は暗い取り調べ室に座る、作業着姿の伊東四朗で始まった。
いつになく静かな始まりで益々期待。四朗の妻と子が車ごと崖から転落死した。
別の場所で彼の母親が川で水死体で発見された、
足の不自由な母親は、水辺迄引き摺られた様な形跡が・・・容疑は殺人。
事件の真相を四朗が自供する独白形式で話は進む。四朗は仕事一筋じゃないけど、人が良くていかにも騙されやすい男。
案の定騙されて、莫大な借金を抱える事となる。
働いても働いてもかさむ借金。
家も売ったか取られたかしたと思う、狭くて汚いアパートに移る一家。
それでも一生働いても到底返し切れない。家族会議で出た結論は、一家心中だった。
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663 名前:分けるね・2 投稿日:02/02/06 10:34
- しかしその時点で、皆は吹っ切れた様に明るくなった。
とにかく頑張ろうよってな感じでね。
家族の気持ちが一つになった、そんな気が四朗にはした。それから四朗は今までと違って、一生懸命働く様になった。
家に帰れば、労をねぎらう家族達。
笑い声まで起こる一家団欒。
四朗はむしろ今の方が幸福にさえ思っていた。
でも。ある日仕事を終えて、家に帰ってきた四朗。
家には母親しかいない。
「あれ?皆(妻と子)は?」
「何言ってるんだい、今日だろ?」
「?」
「もう行っちゃったよ・・・あたしも早く連れて行っておくれよ」決行日は今日だった。
四朗はその時思い知った。
皆、その日までせめて明るく生きようとしてただけだった。
自分一人がいつの間にか、このまま何とか逆境を乗り越えられる
様な気にスライドしてしまっていただけなんだと。呆然自失の四朗は母親に促されるままに、川辺までおんぶして行く。
でも、それでも母親を川へ放り込むなんて四朗には出来なかった。
「・・・分かった、あたしが自分で行くよ」
母親は自ら四朗の背中から降り、四つんばいで足を引き摺りながら
ずる、ずる、と進んでいく。四朗は母親を見ていられなかった。
だが止める事も出来なかった。
そして残った自分は最後まで死ぬ事が出来なかった―。自分が背負った借金で、家族は巻き添えになっただけなのに
当の本人が現状を把握出来なかった男の一人語り。
誰も救われない、誰も幸せにならない、そんなお話でした。
舞台は、火曜サスペンスらしからぬ回想以外、ほぼ取調室から出ず。
終始虚ろな四朗の目が、有無を言わせぬ重苦しい異色作だった。
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667 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/02/06 10:40
- >>663
すばらしい後味の悪さだ!
鬱……
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700 名前:663 投稿日:02/02/06 23:48
- 検索してみたらありました。
タイトルは「水の迷路」でした、四朗の母親は初井言栄。
84年に放送されたんですね・・・未だに忘れられなかった位だから
相当後味悪かったんだろな・・・。