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964 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/08/11(木) 14:11:14
昔読んだ日本の短編小説で、ふとした事で小説家デビューした女性の後味悪い話があった。
ごく普通の生活をしていた主人公が、特に凄い読書好きでもないのに、
気まぐれで書いた作品が認められて作家デビュー。とまどいながらも、次回作を書かねばならない。
近所に、そんな主人公を見守る初老の婦人がいて、気晴らしにおしゃべりをしてくれる。
自分の話(だったか友人の老女の体験談だったか)で、
歳をとって生理の無くなっていた老女に、ある日、出血が始まる。
奇跡的に子宮が活動を始めたのだ、若返ったのだ、今一度の青春を!と喜ぶ老女。
化粧をしてはしゃぎ、恋をするのだと浮かれまくる。
だがそれは癌の症状で、しかも末期だった。老女は、はかなく死んでいく。…
この話に感銘を受けた主人公は、それをネタに短編を発表。ところが直後に、クレームの嵐。
全く同じ着想と結末の小説が、外国の有名な作家の短編に、すでにあったのだ。
主人公は盗作作家とののしられ、新人のくせに許せない暴挙とこき下ろされる。
偶然だとすれば、あの大作家の作品も知らないとは驚くべき無知蒙昧。
いずれにしても、作家の資格ナシ! などなど、主人公はすっかりやる気をなくす。
それにしても、老婦人の話は何だったのか。そんな話は実際にあってもおかしくないが、
主人公は、実は老婦人が全て解っていて話したような気がしてならない……。

という話。

 

隠花の飾り (新潮文庫)
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