このつぎなあに

227 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/09/02(金) 12:14:15
NHKで見た人形劇

ある村におじいさんとその息子が二人で暮らしてた。
貧しいけど二人は仲良しで、一緒に畑仕事をして一緒におにぎりを食べたりしてた。
ある日息子が「オヤジにもっと楽な暮らしをしてもらいたい。おれは町に出て金を儲けてくる。
家を建てて、オヤジを呼びに来るからそれまで待っててくれ」と言って出て行った。
おじいさんは金はなくても二人で暮らせたほうが幸せだと思っていたけど
息子の気持ちを考えて黙って送り出してやった。
おじいさんは1人で暮らしながら息子を待っているが、なんの連絡もない。
「便りのひとつもよこさないで…」と寂しく思いながら眠っていると突然扉を激しく叩く音が。
息子だと思ったおじいさんがあわてて開けると、大入道が立っていた。
食い物をよこせと脅す大入道が、狸が化けたものだと気づくおじいさん。
でも、寂しい自分のところにせっかく化かしに来てくれたんだし、と思って
騙されたふりをして、おにぎりを作ってたくさん食べさせてやる。

そんな風に大蛇に化けたりしながら何度もおじいさんの所へ来る狸。
その度におにぎりを食べさせてやるおじいさん。
ある夜、狸が帰った後おじいさんが外に出てみると、狸がすぐそこで眠っていた。
「まだ仔狸じゃねーか」おなか一杯で満足そうに眠る狸に息子の姿を重ねる。
「あいつは今頃どこで眠ってるのかなあ…」
終わり。

ええっ!そこで終わり!?オチがついてねーよ!息子はどうなった!
ほのぼのしてていい話なんだけど、後味悪いというか座りが悪いというか…
本物の民話ってこういうもんなのかなとも思った。


230 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/09/02(金) 12:43:19
その狸は、息子を道中に襲って食っちゃったかも。
爺さん視点で語られてるから、描写されないだけで。
襲った息子がもってたおむすびが美味しかったので、
味をしめて通ってきてるのかも。
真実を知ったとき、お爺さんは鬼と化し……

……という風に、子どもたちの健全な想像力を
発達させようと言うのではあるまいか?


241 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/09/02(金) 17:47:04
>>227
「このつぎ なあに」という話だな。
その劇、途中で切れてる。
本当は以下のように続く。

爺さんが騙されてる振りをしながら「次は何に化けてくるかな」などと楽しみに狸を待つ日々が暫く続く。
米が尽きてきた頃、町へ行っていた息子が米やら菓子やらを担いで爺さんを迎えにくる。
はじめの内、それを狸だと思った爺さんはこう語りかける。
「狸よ。せっかく今度は上手く化けてきたのに、家にはもう米がないんだよ。おにぎりを作ってやれんですまんなぁ」

息子は慌てて自分が本物である事を説明する。
懸命に働いて町に家を建てた事。嫁を貰った事。とっつぁん(爺さん)と一緒に暮らすために迎えに来た事。
大喜びする爺さん。
引越しの準備のさなか、ふと狸を思い出す。
「このまま居なくなったら、狸の奴困るだろうのう」


243 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/09/02(金) 18:10:34
ある夜、歩きながら考える狸。
「今夜は何に化けようか・・・鬼はやったし、大蛇にも化けたし・・・」
暫く考えた後思い付く。
「そうだ。今日はこのままで行こう。そして今までの化け物は全部俺だったと教えてやろう!」
引き戸からそっと中を覗く狸。
「あの・・・おじいさん?」
家はもぬけの殻。床に山ほどのおにぎりとお菓子、そして『たぬきどの』と記した手紙が置いてある。
手紙にはこう書かれていた。
『たぬきどの、今までいろいろ化かしに来てくれてありがとう。大入道やら大蛇やら、とても面白かったよ』
「あれれ?お爺さんは知っていたのか!?」
と、驚く狸。
『でもたぬきどの。入道に化けるときはシッポに気をつけなさい。鬼に化けるときは顔と背中に気をつけなさい。大蛇に化けるときは足に気を
つけなさい。相手がわしではなく猟師だったらおまえは狸汁にされてしまうよ。もう会えなくなるが、これからも元気でな。じじより』

「なあんだ。おじいさんは知っていたんだ。みんなお見通しだったのか!」
笑い転げる狸。
でもその目にはいつのまにか涙が光っていました。

おわり。


249 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/09/02(金) 20:09:22
>>243
イイ話だなぁ・・・。
なんか、世にも奇妙な物語が思いがけずハッピーエンドで終わったときのような
読後感。
ありがとう。

 

このつぎなあに (日本の創作幼年童話 13)
このつぎなあに
(日本の創作幼年童話)(原作)