皆が自分を忘れていく

868 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/09/13(火) 15:44:47
前に読んだ児童漫画なんだけど、小学生の女の子が主人公のがあった。
物語は、この子の目線で1人称で語られるんだけど、
この子の家は夫婦は仲悪く、父は飲んだくれ、母は外で働き子どもの面倒はあまり見ず、
幼い弟も酔った父に殴られたり蹴られたり。
遠足の近い主人公が費用を頼んでも、そんな余裕はないと突っぱねられる。
たった一人の親友が慰めてくれるが、親友は幸せな家庭に恵まれていて、悲しくなるばかり。
このままでは弟もろくに面倒みてもらえない、と思った主人公は自殺を決意。
パパママ仲良くなって、弟を大事にしてと頼んだ遺書を残し、冬の川に飛び込む。
ここから、主人公は霊体に。自分の遺体を見て号泣する母や、
娘がこんなに追いつめられていたとは、もう酒はやめるぞ、
と決心する父をみて、ああ良かったと満足。……

だがそれから1年、家の様子は別に変わらなかった。
1周期に花を持って親友が来てくれる。懐かしく、嬉しく思う主人公。
だが親友は、見も知らぬ新しい友人と、手をつないで行ってしまう。
「誰?あの子誰?」会話の内容は、主人公の知らない本や流行のこと。
また母も「さあ、もうあの子のコトは忘れなきゃ」と自分の仕事へ。
姉を一番したっていたはずの弟も、新しい友だちやガールフレンドに夢中。
皆が自分を忘れていく。しかも何も変わらない。
私一人が死んだって、何の解決にもならなかったんだ……と泣き崩れる主人公。
その時始めて主人公は「生きたい!」と思うが、もう遅かった。
すると天から、やっと解ったかと言わんばかりに、白い馬が現れ、乗れという。
これで私は本当に死ぬんだ、と悟った主人公は、泣きながらおとなしく馬の背へ。
「さようなら…さようなら…みんな、幸せに……」     おわり


869 名前:868つづき 投稿日:2005/09/13(火) 15:45:41
で、これが更に後味悪いのは、この後1ページのおまけ漫画がつくのだ。
この漫画を読んでいた3人の少女たちが本をパタンと閉じて
「ねえ、この漫画見てどう思った?」
「死んでも何にもならないって、良く解ったわ」
「私、どんな辛い事があっても自殺なんかしないわ!」
「そうよ、生きて、頑張らなきゃ」
「それに死んじゃったら、漫画も読めないしね」
「アハハハハハ」
 
で、ホントにおしまい。
何だか、すごく突き放されたような気がした……

870 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/09/13(火) 16:12:39
>>869
何そのおまけ
すごい台無し感だな。作者が怖い。