病気の先生

120 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/11/22(火) 23:19:48
自分も、ちょっと近い後味悪い思いした事がある。
小学校の時。うちらの学校では、4年生から「図工」が担任の授業ではなくなり、
図工室に移動して、専門の先生に教わるというシステムになっていた。
その頃、図工はSという女の先生が担当していて、
何でも有名な美大を出ていて彫刻が専門で、油絵もすごく上手いという評判だったので、
絵が好きな自分は楽しみにしていた。30代で独身(というのは、母から聞いた)。
長い髪で背が高く、やせ型で目の大きいS先生は見た目は怖かったが、
てきぱきと飾りのない言葉で授業を進め、カツカツと高いヒールで歩く姿がかっこ良かった。
ところが、1学期はとても良かったのだが、夏休み明け、先生の様子が一変していた。
頬がげっそりこけて、目の下が黒ずみ、長い髪はただのザンバラに。
言葉が乱暴になり、ヒステリックになった。話しなからバンバン机を叩いたりした。
ちょっと上手い子の絵に専門的な言葉できびしい批評をしたり、
絵画教室などで習ってるとおぼしき子の作品は、「ダメ」と言って放り投げたり。
小学生の事なので、みんなオロオロしつつ、悪口言い放題大会をしてウサをはらしていた。
だが次の年が明けた時、生徒はS先生がガンで亡くなったのを知らされた。
最後まで、もっと先生をやりたい、子供達と絵を描きたいと言っていたという。
良い状態での授業を充分受けていた6年生が、代表で作文を読んだ。
もっともらしい美辞麗句を聞いてるうち、涙が出てきた。くやしくて。
今だから学校側の都合とか先生の気持ちとか、わからんでもないけど、
S先生の数々のきつい言葉、ビクビクし通しの半年間を思うと、大人がひどく勝手に思えた。
朝礼のあと、自分らは泣きながら、やっぱり悪口を言った。
他にショックの表現方法もなくて。後味悪い思い出だ。

122 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/11/22(火) 23:51:05
>>120
う~む…
なんとも言えず後味悪いな。なんとも言えない…

125 名前:120 投稿日:2005/11/23(水) 00:26:05
S先生に習ってた間は、とにかく「怒られないように描かなきゃ」
みたいな脅迫観念で、自分が絵が好きとか嫌いとか忘れてた。
まだまだ「学校で怒られるのは悪いことしたから」みたいな概念のある
カワイイ年頃だったので…。とにかく、批判されないようにするだけで精一杯。
無視して通り過ぎてくれればみっけもの、くらいのもん。
後任のY先生という大学出たての男の先生になってから、
授業は自由で、しかも一人一人とコミュニケ取ってくれるし、ずっと楽しくなった。
みんなS先生の事は頭から追い出して、次第に悪口も言わなくなったけど、
そういえば自分らはS先生の彫刻も油絵も、結局知らないで終わってしまった。
ちょっとでも作品に触れられてれば、まだきつい授業でも耐えられたかも知れなかったけど…
絵は、今でも好きで見に行ったり、趣味でときどきアクリル画を描いてます。

137 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/11/23(水) 07:56:27
>>120
そんなに急に様子がおかしくなったなら、先生は多分ガンがすでに脳に移転してたんだよ。
神経・精神症状が出てくる。
知り合いのお稽古事の先生も、上品で穏やかで几帳面な人だったのが
下品でヒステリックで大雑把になったなと思ってたら、ガンだったって事があった。

先生はきっと、元々本当に良い先生だったんだろう。
6年生の言葉は多分(多少美化はあっても)ウソじゃない。
病気の作用で精神障害が出たんだよ。
倒れるまで病気に気付かなかったか、体調が悪くても大変な病気だと思ってなかったんだろう。
おかしいと思ってもどうしようもなかったんだよ、大人たちも。
2学期の数ヶ月なんて、子供には長かったかもしれないけど、周囲の人も様子見してたら…って感じだろう。

どちらにしろ、悪い時期にあたってしまった子供たちは不幸だし、
こういう理由があるから理解しろっていうのも無理な話だけどね。