武装錬金/第32話「早坂姉弟の世界」(和月伸宏)
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711 名前:1/2 投稿日:2006/01/17(火) 00:53:56
- 兄弟関係で後味の悪い話。
うろ覚えだけど「武装錬金」という漫画から。
舞台は現代で、普通の高校生の主人公が「錬金術」を使って世界征服をしようとする悪の組織と、
それを阻止する正義の組織との攻防に巻き込まれ戦う、といった一見すごい王道少年漫画っぽい話。
その中で、敵である双子の高校生の姉弟が悪の組織に拾われた経緯が非常に後味が悪い。二人には父親がおらずかなり貧しかったけれど、母はとても優しく
微笑みの耐えない幸せな家庭だった。
二人は小学生か幼稚園くらいの年齢だけれど学校には行っておらず、ずっとぼろいアパートの「中」で
一生懸命働いて帰ってきてくれる母を待つのが二人の幸せな毎日だった。
母から、「絶対に外に出てはいけない」と言われていたし、
「中」が幸せなのだからわざわざ外に行く必要などないのだから、
何故「外」に出てはいけないのか疑うこともなかった。しかし、その幸せはいつまでも続かなかった。
ある朝、母親がいつまでたっても目覚めない。過酷な労働のため、母親は過労死してしまったのだ。
姉弟は幼すぎて死がわからなかったが、流石に母の異変に気づき、初めて「外」に助けを呼びに行こうとする。
そして二人は凍りついた。
何故なら、玄関にも窓にも何重にも巻きつけられた
太い鎖と南京錠がついていたのだ。とても子供には逃げられない。
二人の頭に母がいつも言っていた言葉が過ぎる。「絶対に外に出ちゃ駄目よ―」
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712 名前:2/2 投稿日:2006/01/17(火) 00:54:49
- 隣の壁を力の限り叩き、声が枯れるまで叫び助けを必死に求める二人。
その声はもちろん同じアパートの住人に聞こえていたが、面倒に巻き込まれたくない
住人たちは知っていながら無視をする。中には「うるさい、黙れ」と罵倒する者さえいた。
何日も助けは来ない。閉ざされた家の中で、缶詰もインスタント食品も食べつくして無くなり
二人はどんどん衰弱していく。もう駄目だと思っていた時、ついに警察によって二人は救出される。
警察に事情徴集される住人たちは口裏を合わせ、全く気づかなかったと嘘をつき、
二人に同情する振りをする。それを知って憤る二人。
人間は信用できないし、優しかった母ももういない。これ以上の不幸は無いと思っていた
二人に、最悪の絶望が待っていた。
搬送された病院にある夜、若い夫婦が尋ねて来る。
偶然二人は夫婦が話しているのを聞いて真実を知ってしまう。二人の「母」は実の母親ではなかった。この夫婦が自分たちの本当の両親だったのだ。
「母」は父の愛人で、関係のもつれから二人を攫い育てていたのだ。(情が湧いた?子供が欲しかった?)
父が宥めても本当の母親は、「愛人が育てた子なんか絶対に育てたくない」と頑なに二人を拒絶する。
ショックを受けた二人は、すぐに病院を抜け出す。
公園に辿りつくも、これから行くあてもない。そんな時に二人は悪の組織に拾われる。これがその後味悪いとこなんだけど、基本は1の上から2・3行目。
しかも掲載紙は少年誌ジャンプ。少年誌でコレ。作者は何を思ったんだろう。
たった一話だから20ページぐらいだけど自分にはかなり衝撃だった。
ジャンプたまにパラ見してただけなのに、未だにこの話が可哀相すぎて忘れられない。
その後は読んでないんで知らんが、救いが欲しいと心底思った。
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716 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/17(火) 05:12:00
- 武装錬金のなかでもあれはいい回だったな。
そこまでしか読んでいなかったら、その後も読んでみることを薦めるよ。
なんであれほどの作品が打ち切りの憂き目に会わなければならなかったのか…
正直その方が後味が悪いよ。