愛の墓標(関よしみ)

15 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/16(木) 00:28:19
作者・タイトルは失念したが、小学生の頃に読んだ漫画。
短編のホラー漫画を集めたホラー雑誌の中の一編だったような気がする。

主人公はごくごく平凡な女子高生。母子家庭だったのであまり贅沢な暮らしぶりではなかったが、
女手ひとつで育ててくれた大好きな母と、将来はプロサッカー選手を夢見るサッカー部のエースの
彼氏がいたので、女の子は平凡ながら幸せな毎日を送っていた。
そんなある日、女の子は郵便受けに入っていた一枚のチラシを目にする。
「優勝者には5億円(?ここらへん曖昧。とにかく法外な額だった。仮に5億にしとく)の賞金!
 会場は豪華客船、もちろん参加費は無料です。貴方が一番大切に想う相手とペアを組み、ゲームに参加してください。」
とあった。
これを見て、女の子の母親は"あまりにも怪しすぎる"と眉を顰めたが、女の子は
「この優勝賞金が手に入れば、お母さんを楽させてあげられる。親孝行が出来る。
 それに、彼氏の留学費用も…」
と、母親の制止を振り切って彼氏と一緒に参加を決意。
当日会場へ行ってみると、女の子と彼氏はうじゃうじゃと混み合う人ごみの中に友人や知り合い、
担任の先生を見つけた。友人たちはそれぞれ友人同士、恋人同士、親子でペアを組んでいて、
担任の先生(女性)は旦那さんと一緒に参加していた。
ゲームを始める前に、参加者はまずアンケートを書かされる。
自分自身の誕生日、血液型、はては今朝食べた朝食まで、多彩な質問に答える参加者たち。
その中に、【ペアを組んだ相手以外に、貴方が大切に思う人物】という質問があり、
女の子はそれに"母親"と書いた。

最初のゲームは【どれほど詳しくペアの相手のことを知っているか?】という内容のもので、
お互いの誕生日や血液型などを各々が質問される。そんな中、ついに最初の脱落者が。


16 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/16(木) 00:29:11
父子のペアのうち父親のほうが、娘についての質問を間違えてしまった。その途端、その父子は
人食い鮫が無数に群がっている大海原に落とされる。騒然とする会場をよそにゲームは続けられ、
結局ひとつめのゲームが終わる頃にはかなりの人数が鮫の餌食になっていた。

ここにきて初めて、参加者たちはこのゲームが異常だと気づくが、恐れをなして逃げ出そうとした
人々をも海に落とされ、参加者たちはゲームを無理やり続けさせられる。
実はこのゲームを主催したのは世界的に有名な資産家で、たいへんな人間嫌いだった。
「人間とは、どうせ裏切る生き物なのだ」が信条で、それを確かめるためにペア同士の絆を
はかるような残酷なゲームを企画したのだった。

ひとつめのゲームが終わると、参加者たちは次のゲーム会場に案内され、
一組目のペアのうち一人が屈強な男たちに連れて行かれ姿を消した。
一人取り残された少女(主人公の友達だった)がわけもわからず立ち尽くす中、
唐突に目の前の舞台上の幕が開き、参加者たちの目の前に巨大なギロチンがふたつ現れた。
そのふたつのギロチンに頭を固定されているのは、一組目のペアのうちの一人と、少女が恋焦がれていた先輩だった。
その瞬間、会場に"今から10秒以内にギロチンの縄をつかまないと、どちらのギロチンも落ちてきます"とアナウンスが流れる。
二人が同時に「助けてくれ、助けてくれ」と叫ぶ中、少女は混乱した末恋焦がれた先輩のほうへ走っていき、
先輩のギロチンの縄をつかむ。次の瞬間、ペアの一人の首が落とされる。少女は脱落。
ペアの相手を助ける者、別の相手を助ける者、迷った末どちらも助けられなかった者が続く中、主人公の番が来る。
彼氏はだいぶ前に、無理やり男たちに連れ去られていた。
まさか、と思ったが、やはり女の子の前に現れたのはギロチンに固定された彼氏と、自分の母親の姿。


17 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/16(木) 00:29:44
【ペアを組んだ相手以外に、貴方が大切に思う人物】を尋ねるアンケートはこれのためだったのだ。
泣き喚く女の子に、母親は「私はいいから、○○君を助けなさい!」と叫び、女の子は間一髪で彼氏の縄をつかむ。
無情にも頭を落とされ、絶命する母親。ふたつめのゲームは終わった。

その後も、自分が苦痛に耐えなければペアの相手が死ぬ、といった内容のゲームが繰り広げられ、
結果、女の子は片腕を無麻酔で切断され、彼氏は何よりも大事な両脚を無麻酔でつぶされた。
女の子の担任である先生も、旦那を助けるために眼球に空気を注入され、両眼とも破裂させられていた。
何だかんだあって、最後に残ったのは主人公ペアと担任の先生ペア。
が、最後のゲーム(何だったか忘れた…スマン)のあまりの苦痛に担任の先生が発狂し、
旦那を殺して脱落。主人公ペアが優勝した。
その様子をモニターでずっと見ていた主催者は、"ああ…まだ人間は捨てたものじゃない"と、
主人公ペアの自己犠牲を伴う協力ぶりに感涙し、涙をこぼす。

5億円がギッシリ詰まったケースを受け取り、救命ボートに乗せられて海に流される主人公と彼氏。
二人はとんでもないゲームに浅はかに参加してしまった事を悔いるが、
「このお金でお互いの怪我を治そう。○○(彼氏)も、選手は無理かもしれないけど、監督くらいならできるかもしれない」と、
前向きに将来を考える。その時、救命ボートに穴が開いてることに気づき、次第に救命ボートが沈んでいく。
慌てる二人だったが、救命ボートには何故か一つしか救命衣がなかった。
残酷なことがありすぎて精神的に消耗しきっていた二人は、またも訪れた極限状態に錯乱し、救命衣をめぐって口論になる。
その様子をヘリコプターに乗りながらモニターで見ていた主催者。
ヘリコプターを見つけて助けを求めた二人を無視して、飛んでいってしまう。
沈みゆく救命ボートの中で助けを求め続ける二人。
主催者が「やはり、人間とは裏切りの生き物だ。信用ならん生き物だ……」と呟いて終わり。


23 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/16(木) 00:50:29
関よしみ

26 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/16(木) 00:59:14
>>23
おお!㌧クス!今調べてみたら、「愛の墓標」ってタイトルだった。長年のつかえが取れた!
詳しいあらすじ読んでみると、ところどころ間違えてたな。賞金も10億円だったし

 

関よしみ傑作集マッドハウス (ホラーMコミック文庫)
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