龍と魔法使い(榎木洋子)

815 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/28(火) 20:55:31
小説「龍と魔法使い」 榎木洋子 

主人公の魔法使い・タギは、守龍(国の守り神的存在)の卵がさらわれそうになったのを助け、
卵から孵った娘龍の名付け親になる。「シェイラ」と名前を贈られた守龍の姫君が、この物語のヒロイン。
シェイラは人の姿を取ると金髪紫目の超美少女。(生まれた時点の外見年齢は8歳)

自信家で口の悪い魔法使い・タギとツンデレ美少女・シェイラの2人は、
宮廷内の陰謀を解決した後に国を出て、自由な冒険の旅を始める。
立ち寄る国々で水戸黄門ばりに「お家の跡継ぎ騒動」「狙われた貧乏旅籠」等の事件を解決する2人。
こうして賑やかな2人が旅を初めてから5年間の月日が流れた。(ここまでで文庫7巻分)

タギとシェイラは旅の途中で『天使族』の女性リデルに出会う。
シリーズ10巻目にして「女子供は苦手」と豪語してきたタギがリデルに大接近。
「全てにおいて一流好み」のタギが恋の相手に選んだのは、天使族の強大な魔力を持ち
優しく明るく芯が通った性格の金髪碧眼の絶世の美女リデル。

生まれてからの7年間、ずっとタギだけを見つめてきたシェイラは激しいショックを受ける。
(龍は2千年弱の寿命にそって遅い成長をする、成龍になるには300年くらい掛かる。
彼女はタギに追いつきたい一心で、人の姿を魔力で15歳ぐらいまで急成長させていた)

一時は祝福しようとしたものの、未熟なシェイラはタギとリデルの仲を認めることができなかった。
彼女は葛藤した末に重大な罪を犯し、それに耐え切れず体と精神を三つに裂いて飛び散ってしまった。

シェイラの恋心に気付けなかったタギは、後悔と葛藤で悶々とした日々を送る。
飛び散って逃げたシェイラを探しに旅に出たいが、妻リデルの妊娠が発覚したからだ。
そこでタギの理想の女性リデルが、出来た女房の本領を発揮。夫タギが身重の自分を置いて旅立つ事を許す。
タギは親友の魔法使いと一緒に『3分裂シェイラ』を探す長い旅へと出発する。
(第一部全10巻・完)


816 名前:815続き 投稿日:2006/02/28(火) 20:56:42
タギの留守中にリデルは出産するが、子供は『純血の天使族だけに出る病気』を持って生まれた。
(ハーフの子供に病気が発症した原因は、タギが別種の古代種族の末裔だから)
子供の病気を直すために魔力を使い、リデルは自分の『天使族の長い寿命』を縮めてしまう。

三体に分裂したシェイラは人間に生まれ変って生活している。(元の記憶はない)
タギは『分裂シェイラ』の3名をすったもんだの末に発見・回収。
一体に戻り記憶を取り戻したシェイラとタギは5年振りに再会する。
三人分の長い人生を経験した彼女は、自分の罪と嫉妬心を受け止められるようになっていた。
そんなシェイラにタギはある提案をする。

「リデルは病気で天寿を全うできない、リデルが死んだら一緒に生きよう」

シェイラはその日が来るまで父龍の庇護下に戻って眠りにつくことになった。
(第二部全3巻・完 /龍と魔法使いシリーズ・完結)

後世(別シリーズ本)に伝わる話では、伝説の魔法使いタギは300歳まで生きたらしい。

物語世界では、魔法使いは魔力が強いほど老化が遅くなり寿命が長くなる。(普通は160歳程度)
シェイラは分裂後に人間として過ごした年月(270年程度)が実年齢13歳に加算された。
問題発言時、タギは31歳(外見年齢23歳)、シェイラは283歳(外見年齢20歳)。
リデル病死は100年後と想定されるので、2名の再会時年齢を割り出してみる。
タギ・年齢132歳/推定外見年齢40代前半。
シェイラ・年齢383歳/推定外見年齢20代前半。(タギ老死時のシェイラ外見年齢は20代後半)

若い頃は『性格温厚な子供の産める美女』と理想の家庭を築き、子供も成人して孫の顔も見てから
40代のまだ若い肉体で自由の身になって『子供は産めないが、いつまでも若くて綺麗な姫君』と
死ぬまで一緒に暮らす・・・それなんてエ(ry・・・『少女小説』ですよ、これ。

「早死にしろ」 そう思った主人公は初めてだ。


818 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/28(火) 21:38:33
長いようでいて簡潔にまとまってるあらすじ乙。
面白かったよ(いや、物語は後味悪いけど)。
コバ○トは侮れないな。BLとかヌカして要は腐女子御用達小説を
他社から作家引っ張ってきて書かせて稼ぐとか、老舗のプライドゼロだし。

 

龍と魔法使い〈1〉 (コバルト文庫)(全10巻)
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(コバルト文庫)(全10巻)
龍と魔法使い―龍の娘編〈1〉 (コバルト文庫)(全3巻)
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(コバルト文庫)(全3巻)