幸福堂(上野すばる)
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499 名前:1/2 投稿日:2006/05/23(火) 23:23:55
- 「幸福堂」というシリーズ漫画の話の一つ
色黒で鼻ペチャな主人公に対し、友人の美少女は病弱で細くて儚げ。
主人公の男友達は美少女に恋をしているようだ。
「美少女と体が入れ替われればいいのに…」そう思った瞬間、見覚えの無い建物が現れる。
中は店をやっているようで、店主らしい美青年が主人公に手鏡を渡してきた。
「その鏡に映った者と体を入れかえる事が出来る」美青年はそう言う。
ただし、相手が意識を失っている時ではないと使えないという。
半信半疑のまま手鏡を持ちかえる主人公。もちろん手鏡を使う事もなかった。しばらくして美少女から、男友達に告白され付き合い出したと聞かされる。
主人公は美少女に睡眠薬を飲ませ、その寝顔を手鏡で映す。
すると、美青年が言った通り二人の体が入れ替わる事が出来た。
主人公は美少女の姿で男友達と束の間のデートをする。
(鏡に映した相手が目覚めたら、体は元に戻ってしまう)
自分には向けない甘い笑顔を浮かべる男友達を主人公は複雑な思いで見る。そんな事を何度か繰り返していたある日、美少女が男友達と別れると言い出した。
その事で傷つくであろう男友達を慰めてあげたら? と無邪気に笑う。
主人公は男友達と以前から仲良くしてきた。なのに、美少女はその容姿だけで男友達を手に入れた。
主人公には手に入れられなかったものを、美少女は簡単に手に入れ簡単に捨てようとしている。
憤った主人公は美少女に掴みかかり、もつれあい二人は階段から落ち意識を失う。
ポケットに入れていた手鏡に衝撃でヒビが入った。
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500 名前:2/2 投稿日:2006/05/23(火) 23:25:01
- 目覚めると、二人の体は完全に入れ替わっていた。
鏡が壊れたためか、二人ともが目覚めたのにそのままだった。
体が違うと必死に訴える、主人公の体をした美少女。しかし誰もそれを信じようとしない。
美少女の体を手に入れた主人公のもとに、美青年が現れ「これでいいんですか?」と聞いてきた。
鏡を直せば元の体に戻れると言う。だが主人公はそれを無視して手鏡を川に流した。
美しい人にはそうでない者の気持ちがわからない。神様は不平等だと主人公は叫ぶ。
「神は平等ですよ 残酷なまでに」意味深な言葉をつぶやき去って行く美青年。
直後、主人公は吐血した。
その頃病院では、美少女の母が泣き伏していた。階段から落ちた怪我は大した事無かったが、
もう美少女の命は長くないだろうとの判断が下されていたのだった。そこで終わり。はじめ読んだ時は
「せっかく体手に入れたのに死んじゃうのかよもったいねー」程度にしか思ってなかったが、
何度か読んでるうちに書かれていない美少女の思惑みたいなのがわかってきた気がする。以下はその解釈。
病弱な美少女はかなり深刻な病状にあったようで、死期が近い事も悟っていた。
主人公の男友達への思いを知っていた美少女は、自分に惚れている男友達を手酷くふり、
傷心の男友達を主人公に慰めさせ、それをきっかけに二人が付き合い出すのを期待していた。
そうなったら自分が悪者扱いされるであろう事をわかった上で。
主人公が結果的に幸せになってくれるなら、
どうせ死んじゃう自分が嫌われようと別にいいのよ、みたいなノリで。ただの勘ぐりかもしれんが、一度そう解釈すると後味悪い話が益々悪くなってしまった。
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502 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/24(水) 00:10:59
- >>500
必死になって体が違うって言ってたのも、自分に先が無いのを知ってて主人公の行く末を気使って…
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503 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/24(水) 00:28:48
- >>500
はじめて読んだが、俺もそう解釈したぞ。
子供の頃ならそこまで頭回らないかもしれないなぁ。
無駄に年くったと思っていたが、それなりに成長していたらしい。
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568 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/25(木) 13:19:19
- >>499-500
亀レスだが補足と訂正。主人公と美少女は姉妹。色黒でパッとしない容姿の姉は、美少女の妹を
可愛がってはいたが、内心ではずっとコンプレックスを抱いていた。
妹は体が弱かったが、この時点ではまだ難病とはわかっていなかったはず。2人の体が完全に入れ替わってしまった後、姉の体になってしまった妹は
「違う!私は●●(姉)じゃないわ!○○(妹)なのよー!!」と泣き叫ぶ妹と、
血を吐く姉、どうしてこんな事に…と頭を抱える母の図で終わり。
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627 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/26(金) 17:41:55
- 親に捨てられた関連で思い出した。上にもあったけど「幸福堂」の話の一つ
母が死んでから、父にも相手にされず寂しい思いをする少女。
少女は学校でもツンツンしていて友達が出来ない。
誰とでも仲良くする陽気な女の子Aはよく話しかけてくるが、煩わしいだけ。
それにAは、少女が密かに恋する少年Bと仲がいいので尚更むかつく。
ある日、Aのお弁当をみんながすごいとほめていた。
少女も覗いて見ると色とりどりのきれいなお弁当だった。
私だってお母さんが生きてたらすごいお弁当をつくってもらえたのに…少女は母を思い出し、
また、母のように自分を見ない周りの人たちを恨んだ。そこに突如現れる幸福堂。店主は少女にナイフを渡す。
「このナイフで刺した時、溢れ出るのは血ではなく貴方への愛」
びびりつつ親父をナイフで刺す少女。そっけなかった親父が優しく接してくれるようになった。それからクラスメートたちを次々と刺していくと、みんな少女を愛するようになった。
以前はクラスの中心にいたのはAだったが、みんなAを無視して少女とわいわい騒ぐ。
そして最後には、Bもナイフに刺され、少女と交際しはじめた。
以前の少女のようにクラス内で孤立したAは、Bを返してよと訴えてくる。
いい気味だと笑う少女に襲いかかるA。
少女は怪我を負い、ちょっとした事件になりAは学校を去る事になった。Aが親戚の家に引き取られて行く事になったという。
実はAは母を失い父もほぼいないも同然で、半ば一人暮し状態だった。
荒んだ家庭環境による孤独を埋めるように学校では明るくふるまっていたが、
やはりまだ十代の子供なので辛い事もあり、そんな時は幼馴染のBに支えられていた。
あの鮮やかなお弁当はAが自分でつくったものだった。
クラスメートたちに無視され、心の支えも失いAは暴走してしまったのだった。
全てを知った少女は深く後悔し、街を出て行こうとするAに向かい大声で謝る。
声に反応してAは振り向くが、以前のような明るさは消え、虚ろな瞳で少女を一瞥しただけだった。
もう取り返しがつかないんだと泣き伏す少女を置いて、Aは去って行った。