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910 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/14(水) 01:39:17
ミステリ漫画の神林&キリカシリーズの中の一つ

主人公は二人。神林は大学生兼推理作家。見かけはややオタッキー
キリカはきゃぴきゃぴした感じだがどこか儚げで可憐と人気のアイドル。
しかしそれは全て演技で実際は姉御肌でハキハキした頼り甲斐のある性格で、
頭脳明晰で推理にかけてはピカイチの才能を発揮する天才少女。
この二人が協力して事件を解決していくというシリーズ

ドラマの主役に選ばれたキリカ。ドラマの内容はかなり王道なもので、
キリカ扮する平凡な少女が、身分違いのお金持ちの少年と恋に落ちるというもの。
更に王道な事に、少年にはお金持ちの美しい婚約者がいるという設定だ。
婚約者役の少女・アヤは子役時代から絶世の美しさと名高く、
やり手の母親が徹底的に俗世から隔離して育てたという人形のような美少女。
ドラマの中で「彼を私に返して」という台詞を喋る時ですら人形のように無表情に
棒読みで言うだけ。最も美しさが引き立つ表情でテレビに映るだけで彼女のファンは喜ぶのだ。
本来ならこのシーンは、婚約者を奪われた事に女が激しく憤り嫉妬するところ。
そんな俗な演技をアヤがやるわけもなかった。

そのアヤがスタッフの青年を殺した。
始めは事故扱いされていたがやがて神林とキリカが突きとめた。
青年は以前から、美しいだけの人形扱いなんて悲しい、君は人間なんだとアヤに訴え続けていた。
アヤはやがて青年に惹かれ、一人で本気で演技の練習をするようになった。しかし母の言葉が離れない。
「アヤ 永遠に穢れも醜さも知らない人形のよう お前は他の子とは違うのよ」
そんな時、一人で「私を彼に返して」と叫ぶシーンを、
醜いまでに生々しく演技しているところを青年に発見された。


911 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/14(水) 01:39:47
こんな醜いところを見られてしまったと動揺するアヤに、
「君は人形じゃない醜くていいんだよ それが本当の君なんだ」と青年は言う。
母の言葉がまた脳裏に浮かぶ。
特別な自分を、ただの人間が醜いと言うなんて…アヤは発作的に青年を殺した。
青年の醜い死体を前に、アヤは冷めた思いでこんな醜いものに自分が恋なんてしてないと悟ったという。
あんな醜いものにくだらない思いなど抱いたりするはずがないと

神林は、アヤは自分で自分を殺したという。
アヤの中にいる、「くだらない感情」と懸命に向かい合おうとした少女を、
他ならぬアヤ自身が殺してしまったと。そして残ったのは美しいだけの哀れな人形だと。
アヤは青年の姿を思い浮かべながら涙を流す。
「だってどうすればよかったの…? 誰もあんな気持ち教えてくれなかった こわかったのよ…」

すれ違いの末の殺人という展開が多く、後味の悪い話も少なくはないシリーズだが、
これはなんか特に後味悪かった。上手くいければ人形の殻を破って絶世の美少女だは演技もできるはで
成功できそうな感じなのに、結局は幼少期からの母親の洗脳の方が勝ってしまうものなのか


後味悪い
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