ホーム » 小説 » 小説/ま行 » 見知らぬ督促状の問題(西澤保彦)

814 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/29(木) 12:06:49
西澤保彦のミステリー小説、短篇から。
このひとはいつも何処にでも転がってるような些細な悪意を
動機に繋げてしまうようなイメージがある。

主人公たち四人組は大学生。
男二人女二人でよく酒をのみながら推理するシリーズ。
大雨のある日、大学内のミスコンだかなんだかで優勝した美人から相談をもちかけられる。

彼女の話によると、滞納していないはずの家賃を請求する宛名のない督促状が届いた。
しかも、マンション管理者の名前が市会議員の男の名前となっているが、持ち主はその妻であるはずだと。
悪戯なのだろうか?
しかし調べてみると同じマンションに住む、同じ大学の女性が何人も
三日おきに同じ督促状を受けているという。
彼女はその五人のうち、四人目だった。

色々あって推理の結論。
督促状を送った理由は各人の反応をみるため。
つまり、問い合わせる先が本来の夫人の方か、連絡先の記されていない議員のほうか。
議員の連絡先を知っているということはつまり、
個人的に親しい、愛人関係だということ。

犯人は盗聴を趣味にしており、このマンションでその大学の誰かが愛人関係であることを知った。
そうして、夫人に問い合わせるたびにリストから外していく。
動機は、議員を脅迫するため。

しかしまあ、想像だから放っておけばいいんじゃね?となる。
本人達は自業自得。
相談者には関係ないのだから。


815 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/29(木) 12:15:34
翌日。
新聞にそのマンションのその大学の女性の最後のひとりが、
元その大学職員によって殺されたという新聞記事がのる。

推理はあらかたあたっていた。
ただ間違っていたのは動機。
金ではなく、愛人を脅し肉体関係を迫るつもりだったが、抵抗されて殺した。
目撃者のおかげでつかまったのだが、それは相談者そのひとだった。

犯人は相談者までの四人が愛人ではないとわかった。
だから残りのひとりが愛人だと思い込み督促状も送らずコトに及んだ。
なんとも短絡的。

しかし、と四人組のなかであまり発言しなかったひとりが後の席でいった。
相談者って実は被害者のことを嫌いだったんじゃないかな、と。


816 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/29(木) 12:28:48
議員の愛人は実は相談者その人だったのではないか。
督促状をもらったのなら直ぐ様管理事務所に問い合わせればいい。
躊躇したのは議員と特別な関係にあって後ろめたかったのではないか。

あの相談のあと、相談者はわざわざ管理事務所にといあわせている。
第三者の悪戯だとわかった以上そんな必要はないのに。
よって被害者がうまれた。

それは犯人に聞かせるため。
そして残りのひとりこそ愛人だと錯覚させるため。

犯人の目的が金ではなかったら。
もし身体だったら。
被害者が暴行されるかもしれない。
その蓋然性に期待した。

推理の根拠は自らが通報者になろうとしたこと。
暴行しようとする真夜中に、大雨の日に、どうして彼女が目撃者たりえたか。
つまり、物陰から犯人を待ち望んでいたのだ。
暴行の場合、被害者が通報しないこともあるために、彼女が噂の発進源となるために。

動機は、被害者に愛人関係のことが知られていたため。

結局相談者は罪には問われなかった、というオチ。

漫画版で先に見たんだけど
物陰に隠れた相談者の美人ならではの笑みが怖かった。

 

謎亭論処―匠千暁の事件簿 (祥伝社文庫 に 5-3)
謎亭論処―匠千暁の事件簿
(祥伝社文庫)


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