ホーム » 体験談 » その他体験談 » ボランティアで老人を預かる

528 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/12(水) 13:11:57
うちで似たような事あった。実話なのでつまんないかも。

うちの母は大変ボランティア好きな人で手話も習ってた。
子供用の施設もそうだけど、老人用の施設にもお盆とお正月には家に帰れて、
家族が迎えてくれない人はボランティアでそういう時期だけ預かる制度がある。
自分も施設で育った母はぜひ協力したいといって聾唖の老人を年末に預かる事になった。

私はすごく嫌だった。老人なんて大嫌いだし、聾唖なんてどうしろって言うんだと思った。
私には小学高学年で5つ下の妹がいて、私は人見知りが激しく無口だったけど、
妹は外交的で優しく人懐こかったから、孫役は妹に任せて部屋に引きこもっていようと思ってた。

やがてその爺さんがやってきた。爺さんはダンボールなんかをまとめるビニールテープで
籠やらなんやらを作るのが趣味らしかった。昔の老人がよくやる廃品利用の手芸品の類。
廃品利用は良い事だが、できあがった籠は安っぽい癖に派手で籠自体に利用価値がない。
ともあれ、手芸などは作る事自体に楽しみがあるのだし、廃品利用でお金もかからない。
聾唖で老人である施設の爺さんが
「廃品利用でこんな色々な物が作れます!私は価値のある人間でしょう?」とアピールできるわけ。
「ジジイも色々考えてやがるな」と子供心に思った。

爺さんは妹と遊ぶであろうと言う私の推測を裏切り、なぜかターゲットは私になった。
70の老人には活発な小さい妹の相手は荷が重く、
聾唖に私の無口と言う防御は通用しなかったのだ。
私の部屋が広くて家で一番日当たりが良かったからそこが気に入ったのかもしれない。
毎日、私の部屋にビニールテープの山と作りかけの籠を持ち込んで私に籠作りを仕込んだ。
内向的な私は根気と集中力だけはあり、こういう作業は得意だし嫌いじゃなかった。
毎日、老人と小学生が無言でカラフルな安っぽい籠を大量生産するハメになった。


529 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/12(水) 13:12:29
その後2年くらい、お盆と正月のたびにその爺さんがビニールテープと共にやってきた。
「迷惑だなあ」と思いつつ、断る術のない私は毎回爺さんの相手をしていた。
でも、ある年の冬、母が病気で入院してしまった。
中学生の私が家事をしなければならず、今年は爺さんの来訪は断ろうと言う話になった。
だが、爺さんは職員の「今年は行けない」と言う説得に納得できず、
真冬に施設を脱走してしまった。
爺さんの施設は隣の県にあり、お金も体力もない聴力も喋る事もできない爺さんは
当然途中で迷子になり、警察に保護され施設に送り返された。
爺さんは「お母さんが大変なのに自分が行かなければ○○ちゃん(私)はどんなに寂しいだろう。
自分が行って慰めなければならないのだ。」と泣いて訴えたらしい。
真冬に迷子になったせいか爺さんは体調を崩して入院し、もううちに来る事はできなくなった。

ちなみに母はその後、今度は持病のある施設の子供を夏と冬に預かるようになった。
その子の病気が悪化して「今年は預ける事が出来ません」と施設に断られた時にも、
「私が病気だから嫌われたんだ。謝って許してもらうんだ!」と誤解したその子が
入院先から脱走して保護されると言う事もあった。


530 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/12(水) 13:23:31
528は優しいな
露悪的に書いてるけどちょっと泣けた。

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