ホーム » 小説 » 小説/さ行 » 過ぎる十七の春(小野不由美)

546 名前:1/4 投稿日:2006/07/12(水) 17:49:21
小野不由美の「過ぎる十七の春」。

主人公の直樹は妹と共に従兄弟・隆の家を訪れる。
優しい伯母と穏やかな性格の隆と和やかな休暇を過ごすはずだったが、
ある日を境に隆の様子が豹変する。
伯母に対して冷徹な態度を取る隆に戸惑う直樹達。
隆の変わり様に一番ショックを受けていた伯母は突然服毒自殺を図る。
一旦は一命を取りとめるも、搬入先の病院で看護していた直樹達の母親の
目を盗んでタオルを飲み込み、窒息死する。
実の母の死を「あんな女…死んで当然だ」と吐き捨てるように言う隆。


547 名前:2/4 投稿日:2006/07/12(水) 17:49:55
直樹は隆の豹変の謎を解くべく色々と調べていく内に、ある事に気付く。
自分の母方の家系では、何代か前から代々長子が十七歳間近になると
性格が豹変し、母親をはじめとする肉親を殺した挙句に死んでいた。
直樹がこの事を母親に問い質すと、母と伯母の兄もまた、そうであったと確認が取れた。
そして、母方の血筋は最早母と自分達兄妹と隆しか残っていないことも。
隆は伯母を殺した訳ではない、伯母は自殺だ―けれど、この一致する符合は…。
煩悶する直樹の周りに、やがて不穏な気配が付き纏い始める。
それはやがて形を成し、直樹の前に姿を現す。
「私は、あなたの本当の母親です」
妖しい力で直樹を幻惑する女だったが、直樹はギリギリの所で偶発的ながらも
女の呪縛を絶ち切る。
同じように囚われていた隆の呪縛を解くことに成功する直樹。

548 名前:3/4 投稿日:2006/07/12(水) 17:51:12
正気に戻った隆と直樹を怨霊の本性を現した女が襲う。
女は、事の発端となった代の長子の実の母だった。
妾だった女が産んだ子を直樹達の先祖が無理矢理引き取ったものの、
正妻が子を産んだ為蔑ろにしていた。
それを知った女が長子に自分が実の母であることを話し、事実を知った長子は
暴走し家族を襲ったが返り討ちに遭い、十七の誕生日を目前に死亡。
最愛の子を失った女は狂い死に、怨霊と化して直樹達の一族に呪いをかけた。
「長子は十七の歳を迎える前に、母親を殺して死ぬ」と。

549 名前:4/4 投稿日:2006/07/12(水) 17:51:57
必死で抵抗する直樹達だが、とうとう追い詰められあわや、という所で女の猛攻が止む。
「…鬼ばかりと思っていたが、ここにも母がいたのか…」
女はそう呟き、姿を消す。
女の怨念を解きほぐしたもの、それは―隆の母がしたためた1通の手紙だった。
呪いを逃れる為に、妹の目を盗み隆と直樹を取り替え、更に母殺しの罪を犯させぬ
ようにと自ら死を選んだことを独白した――。
子を愛する狂おしいまでの情念を女は我が身に合わせ、女は呪いを解いたのだ。

何が後味悪いかって、この後の直樹達家族の行く末。
特に妹である直樹の母親は知らん間に子供とっかえられてるし。
良い話ではあるんだけど、何つーかこう、モヤモヤが残った。

 

過ぎる十七の春 (講談社X文庫―ホワイトハート)
過ぎる十七の春
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