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714 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/16(日) 00:49:48
昔見た本。タイトル不明。

知り合いの舞台を見に行く事になった主人公。
そこで裏方の青年がからかわれている現場に遭遇。
なんでも、その青年の持つ写真に映る女性がめちゃくちゃブサイクらしい。
主人公も見てみるが、確かに地味だがそこまでブサイクではないし、
なによりも笑顔が温かい。その写真で見るだけでもきっと素敵な人なんだろうと誉める。
恥ずかしそうに去っていく青年。写真の女性は恋人らしい。

その舞台は、稀代の名女優と呼ばれる気難しいが天才的な女優が母親役を演じ、
無名だが演技力がかなりあるという少女が娘役を演じると前評判が高い。
娘役の少女は、普段はぼけっとしていて無気力な様子だが、
演技を始めた途端表情が一変。誰よりも生き生きとしている。
普通の人は計算によって演技をするのだが、少女は役そのものになりきっているのだ。

少女が舞台から転倒し、意識不明になり入院。事故に思われたが、状況から殺人未遂だとわかる。
犯人ははじめに主人公が出会った青年だった。少女と写真の恋人は同一人物だった。

かつて少女は地味でパッとしないが温かな人だった。
そんな彼女を愛しているからこそ、「地味だから無理」と言いながらも
女優に憧れる少女を青年は励まし、少女が女優になれるように手助けした。
元々演技の才能があったのか、少女はすぐに周りに認められ、垢抜け、女優としての道を歩み始めた。
だが演技が生き生きとするほどに、彼女は現実での己の自我というものを失っていく。
いつしかただの演技をするだけの殻のようになり、かつての温かな笑顔はなくなった。
「あいつはもういないんです。ただあいつの抜け殻だけを見続けるだなんて耐えられなかった」と青年は語る。

意識を取り戻した少女は全てを忘れ、今演じている役柄そのものになりきっていた。
彼女は完全に「自分」を捨ててしまっていたのだった。一時的なものかどうかはわからない。
だが償いのために、彼女が自分を取り戻すまで傍にい続けると青年が語って終わり。


715 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/16(日) 00:53:40
結構、犯人の青年の都合のいいように進んでいる気がするのが後味悪いすね

716 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/16(日) 00:54:35
>>714
後味悪いというより切ない話だね

後味悪い
(後味悪ければクリック)
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