世にも奇妙な物語/「ネカマな男」

187 名前:ネカマな男1/4 投稿日:2006/07/25(火) 02:57:32
去年の世にも奇妙な物語であった「ネカマな男」

主人公は事業に失敗し、バリバリキャリアウーマンの妻の働きだけで生活している。
妻に冷たくされ、何も言い返すことのできない毎日。
そんな主人公の唯一の楽しみは、出会い系で知り合った女子大生とのメールだった。
男で登録すると全く反応がないが、女性で登録してみてはと考え、
妻の名前で登録し知り合った仲。
そして妻になりすまし、自分のことを「駄目な夫」と女子大生に愚痴る。
なぜなら女子大生は、「そんなことないですよ」「旦那さんも頑張ってるんですよ」
と励ましてくれるから。


188 名前:ネカマな男2/4 投稿日:2006/07/25(火) 02:58:39
そんな日々が続いたある日、自分が男でも彼女なら許してくれると思い
女子大生に会おうとメールを出す。しかし返ってきたメールには、
「実は自分は30の男、女性と話がしたくて女性のふりをしていた」
と衝撃の告白が。
主人公ブチギレ(自分も嘘ついていたくせに)
「嘘をつくような人とはお会いできません!メールもしないで下さい!」
と返して終わり…になるはずだった。
その翌日から男から何十通というメールが届くようになる。男はストーカーと化していた。
最初はメールを気味悪がり削除&無視していたが、
「A子さん(妻の名前)をB社(妻の働く会社)で見かけました。綺麗ですねぇ。」
というメールに妻の身に危険を感じるようになる。
(主人公は住んでいる場所、さらに妻の名前を教えていたため、
 ストーカーに簡単に調べられてしまった)
これに恐ろしくなった主人公は、妻からの「暗くなったから迎えにきて」という要求にも
文句を言わずするようになる。

189 名前:ネカマな男3/4 投稿日:2006/07/25(火) 02:59:20
それが幾日か続いたある日の昼、主人公は買い物帰りに借金取りに捕まりボコボコにされる。
実は株に手を出していて、しかも大失敗で新たに借金を作っていた。
事務所に連れて行かれた主人公は、もう少し待ってくれと頼みこむが、借金取りは妻の資産で
払えばいいではないかと詰め寄る。
以前の失敗で肩身が狭くなっている上、これ以上は無理だと答えるが、借金取りはある話を持ちかける。
「では、奥さんを殺すので遺産から払ってください。
 殺しはこちらが請け負うのであなたは何も心配しなくていい」
主人公は迷うも、今ならあのストーカーのせいに出来ると思い承諾。

殺害決行の朝、いつにく明るい主人公にどうしたの?と問う妻に、会社の面接があるんだ、と主人公。
それを聞いた妻は「頑張ってね」とめずらしく笑顔で主人公を励ました。
それに心を痛めつつ、主人公は妻を見送った。


191 名前:ネカマな男4/4 投稿日:2006/07/25(火) 03:00:53
予定通り妻は殺害され、葬儀も終わった主人公は2日ぶりにパソコンを起動させる。
すると、ストーカーから一通のメールが届いていた。
「今まで嘘をついていて、ごめんなさい。私はA子です。
 あなたが本当に私を愛しているか確認したかったからこんなことをしてしまいました。許してください。
 でも、あなたが迎えに来てくれたとき、本当に嬉しかった。
 今まで辛く当たってごめんなさい。あなたにやる気を出して欲しかったの。
 私たち、また昔のように仲良くなれる。やりなおせると思う。
 会社の面接どうだった?今日は、私が夕飯を作るわ。なるべく早く帰るね。」
そのメールを読みながら、瞬きもせず涙を流す主人公であった… 

うろ覚えなので細部が違うかもしれん

 

よもつひらさか (集英社文庫)(原作収録)
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