信じようと信じまいと(火浦功)

326 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/27(日) 13:58:13
なんらかの知的生命体のメッセージの記されたプレートが回収されて、解読に成功したら
「この手紙は不幸の手紙です。14日以内に、50人の宇宙人にに同じ内容を書き写して送って下さい。
 もし送らないときは、あなたの星を不幸が襲います」
だったら後味悪い。

367 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/27(日) 21:32:20
>>326
そんな内容のSF短編がある。作者は火浦功。うろ覚えなので、細部の数字は適当。

ある日、アメリカ大統領が就寝中にたたき起こされる。
不機嫌な彼に対して、大統領補佐官(だったと思う)は一枚の写真を渡した。
それはどことも知れぬ雪原に、プレートが突き立っているものだった。
補佐官の説明によると、それは地球の外から飛んできたもので、明らかに人工物だという。
しかも、その表面には既知のどんな文明にも見られない文様が刻まれていた。
異星の文明からのメッセージと思しきその物体に、大統領は興奮した。
他の恒星系にこんなものを送れる技術力を持つ文明の技術力を入手できれば、ソ連(当時)に対して大きく有利になる。
早速、科学者達に命じてプレートの解析を急がせる。

……そして5日後、科学者達が解読したプレートの内容は
「これは不幸のメッセージプレートです。
 このメッセージを受け取った文明は、3日以内に別の文明へ
 同じ内容のプレートを他の星の文明に送ってください。
 そうしないと不幸が訪れます。
 これを無視した○○星の文明は悲惨な最期を遂げたと言うことです」

あまりの内容に愕然となる大統領以下スタッフ。
結局彼らは、これを無視することにした。期限は既に過ぎているし、
そもそも人類に他の恒星系にこんなプレートを送る科学力がないからだ。
そして大統領は言った。「それに、チェーンメールを切ると不幸になると言うのは、単なる迷信だ」

その日、地球の軌道を黒猫が横切った。
次の日、人類は何故か滅亡した。

 

お前が悪い! (角川文庫)
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