滅亡、さもなくば死

519 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/29(火) 23:43:07
その世界の地球は悪魔に侵略されようとしていた。
悪魔の力は強大で、弾丸、化学兵器、ミサイルなどが全く効かない。
しかし、そんな人類に救世主が現れる。
それはある科学者と、その息子だ。科学者は無敵のスーツを開発し、
息子は超人的な身体能力を持っていて、父の作ったスーツを纏い、悪魔に立ち向かう。
驚異的な防御力を誇るスーツと、科学技術を結集して作られた武器によって悪魔は次々と殺されていく。
地球のマスコミは突如現れたヒーローに大きな期待を寄せ、その戦果を連日報道する。
そして半年後、最後の悪魔も倒されるのだが、そいつが死ぬ間際、一粒の種をヒーローに植え付け、こう言い残した。
「お前の体に地球上全てを覆い尽くし、人類を滅亡させるに十分な量の花粉を排出する花の種を植え付けた。
 お前はそのスーツで生き延びる事が出来るだろうが、
 その他の生けとし生きるもの全てはその粉を少しでも吸っただけで死に絶えるのだ。
 だが、心優しい俺はそれを回避する方法を教えておいてやる。
 その種を焼き尽くすのさ。お前の体ごとな。そうすればその種が成長する事は無い。
 それが成長し、花粉を撒き散らすまでの期間はあと半年。さぁどうする?
 人類のために死ぬか?自分のために生きるか?お前ほどの力があれば人類を滅亡させるのは容易かろう?」

522 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/29(火) 23:45:31
滅亡、さもなくば死。最悪の選択を迫られる事となったヒーローはその葛藤に悩まされる事になる。
流石の父もこの種を摘出する事は出来ず、ただ時間だけが過ぎてゆく。
一方、その事を嗅ぎ付けたマスコミは掌を返したようにヒーローを糾弾し、
彼と親しかった者全てを逮捕し、拷問を加えた後、火刑に処した。
中世ヨーロッパの魔女狩りのように。世界中で冤罪が多発し、
人類は自ら疑心暗鬼によって悪魔の望んでいた地獄絵図を繰り広げていた。
父が築いた要塞化した研究所は国連軍の攻撃をよく防ぎ、ここだけは安全地帯だった。
が、そんな光景を見るに見かねたヒーローは人類に戦いを挑む事を決意する。
父親にある事を告げて。

それから間もなく、国連軍とヒーローの戦いが始まった。
いや、戦いなどというものではなかった。一方的に焼き尽くし、叩き潰し、殺し尽くした。
その結果、地球の人口は1万人にまで減少していた。
一方、父は今回の騒動に加わらなかった人全てを集め、自分の研究所に匿っていた。
生き残っている人類はそこにいる人だけである。
ヒーローもそこだけは狙おうとせず、やがて悪魔滅亡から半年が過ぎようとしていた。
地球滅亡の日を明日に控えて、ヒーローの胸中は穏やかなものではなかった。
やはり、死ぬのが怖いのだ。しかし、最後まで自分を信じてくれた人たちを巻き込むわけには行かない。
変身を解き、意を決してガソリンを浴び、体に火をつける。
地球を救った不死身の肉体とともに、体内に宿った悪魔の種も燃えていく。
ヒーローは笑顔のまま散っていった。これで人類は滅亡の危機から救われた。
少なくとも数十年は。実は、父が救った1万人というのは全員が女だったのだ。


524 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/29(火) 23:50:49
もう少し考えろよ父

525 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/29(火) 23:53:32
>>519、>>524
親父がヤりまくるからとりあえず百年は持ちそう。
なんかちょっと悪魔の能力がギンガマンで放送してた話に似てるけどな。

527 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/29(火) 23:55:52
ツッコミどころというか、速攻で思いつきそうな回避法が多すぎて……。

いや、作品内ではちゃんと細かく設定されてるんだろうけど。


530 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/30(水) 00:23:44
意外と穴だらけじゃないかな?
ツッコまれそうな穴をガチガチに塞いだ作品は面白くないとオモ。
ある程度読者に想像の隙を与えた作品、考える暇もないくらい勢いがある作品の方が面白い。

でも読んだ人間はそう思えるけど、あらすじだけ伝えられると穴が気になるもんなんだよな。


543 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/30(水) 06:42:55
>>525
確かその話はギンガマンではなくて、ゴーゴーファイブだと思う。
サブタイトルは「死さもなくば破滅」