ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その53 » 針の眼(田村由美)

869 名前:1/2 投稿日:2006/09/03(日) 20:01:50
田村由美の短編で確かタイトルは「針の目」

モデルの青年は平凡な女性と付き合っている。中学からの付き合いだ。
歩き煙草が癖の青年を彼女は注意し、青年は二つ返事で煙草を投げ捨てた。
CMに出た青年は一気に知名度は上がり、高級マンションに引っ越した。
隣室の住人は上品な感じの婦人で、娘がいるらしい。
引越しの手伝いをしている彼女のストッキングに電線が走っているのを発見する。
その事を指摘すると「いいのいいの誰も見てないんだし」と彼女は笑った。
青年は彼女への思いが冷えるのを感じた。
デートの時、彼女はジーパンにTシャツという格好で来る。
最近青年にやたらかまってくる女優の方がキレイだし色っぽい。
青年は彼女を放置し、仕事場と女優の家を往復する日々を送る。

久しぶりに帰宅すると、留守電に彼女からの電話が何十件と入っていた。
気持ち悪い、マジかよと嫌悪する青年。それからも毎日毎日電話がかかってきた。
やがて留守電に記録されるのは陰気な無言電話ばかりになった。
部屋の前にゴミをぶちまけられたり、あげくには部屋の中すら荒らされた。
そして常にどこかからか視線を感じるようになった。まるで針で刺されいるかのような鋭い視線。
青年は精神の安定を欠くようになり、仕事も失敗続き。
「所詮見かけだけのモデル上がりだ」と皆に言われる。

隣室の婦人の娘をはじめて見る。まだ幼いが美しく、しかし片目に眼帯をつけていた。
娘が抱えている人形も同じように片目がなかった。気味悪いと青年は思う。
部屋を出て見ると、階下に彼女がおり、こちらを見つめていた。
今までされた嫌がらせへのストレスが爆発し、青年は彼女を殴りつけた。
数日後、その場面が盗撮されており、週刊誌に載せられた。
女優はすぐに手を切ってき、仕事も干された。


870 名前:2/2 投稿日:2006/09/03(日) 20:03:11
気づくと、青年は椅子に座っていた。しかも、縄で椅子に縛り付けられていた。
目の前には婦人と娘がいた。嫌がらせの数々は婦人が行なったものだった。
青年の持っていた煙草を吸い「こんなものどこがいいの」と悪態をついた後に婦人は語り出す。
婦人はかつて妻子持ちの男と不倫していた。娘を身篭ったまま男のもとを去った。
娘は美しく成長し、劇団に入った。子役として華々しくデビューする予定だった。
そんな娘の姿を男に見せようと婦人は娘を連れ、男のもとに行こうとした。
その時、煙草を持った青年が歩いてきた。投げ捨てられた煙草は、娘の片目に刺さった。
眼球が潰れ、視力を失い、役者としての生命は絶たれた。もう男に会う事もできない。
娘は残ったもう片方の目で青年の顔をしっかりと見ていた。
CMに現れた青年を見てすぐに娘は犯人だと指摘した。
その青年が隣室に越してくるとわかり、まだ空室だった隣室の鍵をこっそりつくった。
青年の部屋で拾った髪の毛と、娘の目を潰した煙草についていた唾液は同一人物のものだとわかった。

煙草に火をつけてその先を人形の目に向けたことがある。
人形の片目は焼け焦げて穴ができた。人形ですらそうだった。
あまりにも酷過ぎて娘の目はもう角膜を移植しても治らない。
目を渡せと婦人は縛られた青年の目の前に刃物をつきつける。
そこに、彼女が訪ねてきた。彼女はすぐにその場を去って行った。
いいぞ、早く警察を呼んできてくれとすがるように彼女に願う青年。
走り去った彼女は通りすがりの警察官をスルーし、そのまま橋の上へといく。
そしてカバンの中から取り出した包丁を川に投げ捨てる「手間いらずだわ」
青年は来るはずもない警察の助けを待ちながら、婦人に責め立てられ続ける
その片割れで、娘が片目だけで青年を睨み続けていた


888 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/03(日) 22:06:52
>>869-870
それ読んだけど、ものすごく怖かったよ。
娘の目に煙草が刺さった時、「じゅっ」って音がリアルすぎた。
煙草は確か投げ捨ててないはず。
娘の目の高さと火のついた煙草を持った手の高さがちょうど同じで、
まさしくズバッと入った感じ。

906 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/04(月) 08:59:09
>>888
煙草持ったままぶらぶら歩いてたせいで娘の目玉にぐさっ、
しかしその事に気づかず、彼女に注意されたので吸いかけの煙草をそのまま道に投げ捨て、
投げ捨てられた煙草を母親が犯人のものだと想定して拾う、って感じだった

 

針の眼 (小学館文庫 たB 18)
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