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53 名前:1/5 投稿日:2006/09/06(水) 00:04:37
映画「スクール★デイズ」
メモにまとめていたら、かなり長くなってしまった。スマソ

晴生は0歳で芸能デビューをし、天才子役として一世を風靡した。
しかし、3歳でプレッシャーのためにノイローゼになり、
加えて両親が晴生の教育方針を巡って対立し、仲は険悪に。
いろいろな問題に巻き込まれた晴生は、普通の子供に戻りたいと
8歳で世間に惜しまれながらも芸能界を引退する。

しかし、そんな過去を持っているために、晴生は高校に入ってひどい
いじめに会う。友人は、同じくいじめにあっている写真部の佐治だけ。
両親の仲は以前にも増して崩壊していた。
母親はあやしい健康法にのめりこみ、今は豆腐に夢中。
いつも電話ばかりし、晴生を見ようとしない。
父親は外に愛人を作り、家庭を顧みず会話も全く無い。

そんな生活を変えたくて、晴生は赤ん坊の時に出演したことがある
長寿人気学園ドラマの最新シリーズ
「はみだし!スクール★デイズ」のオーディションを受ける。
晴生の経歴や現状をおもしろがられ、オーディションはみごと合格。
晴生は自分と同じ名前のキャラクター役を与えられる。


54 名前:2/5 投稿日:2006/09/06(水) 00:05:51
ドラマの中の「晴生」は、晴生と同じいじめられっこ役。
ドラマの主人公は、熱血教師である「鴻ノ池先生」
鴻ノ池先生を演じるのは、俳優の赤井だった。
赤井は天才俳優で、本番以外では一言も喋らず、役に集中している時は
台本が透けて見えているという噂まであった。
晴生はそんな赤井に傾倒し、また、自分の役にも没頭していく。

ドラマで人気者になれば、片思いの相手である夏美に
振り向いてもらえるかもしれないという希望を抱きながらも、その現実が変化することはなかった。
相変わらずいじめ・パシリは続く。
いや、晴生がドラマに出ているからと、いじめは更にひどくなっていく。
ただ、ドラマの撮影がある晴生は学校にいないことが多くなり、
その代わり佐治がいじめられる対象の中心になっていった。
晴生はドラマに夢中で、そのことに気がつかない。


55 名前:3/5 投稿日:2006/09/06(水) 00:06:48
ドラマの台本には、晴生にとって魅力的なせりふが多く書かれていた。
特に鴻ノ池先生の言葉は、心にしみた。
現実の先生は無気力で、いじめを見て見ぬふりをしている。
しかし、鴻ノ池先生は違う。
「痛みを知る人間は、人の痛みが分かる。お前は痛みを知っている。
 だから、ほかの人間よりも人の痛みが分かるんだ」
鴻ノ池先生は、晴生の欲しい言葉をくれた。
いじめられているとき、両親が自分を見てくれないとき、
晴生の現実に、鴻ノ池先生が徐々に入り込んでくる。そして、欲しかった言葉をくれる。
いつしか晴生の現実の世界には、鴻ノ池先生が現れるようになっていった。

晴生はますますドラマにのめり込んでいき、スタントマンを使うはずだった
階段を転がり落ちるアクションも自分でやると言い出した。
そうでないと、現実感が出ない、と。
監督が止めるのも聞かず、晴生はそのアクションシーンをやりとげた。
結果は、見事に成功。晴生は監督に手放しで喜ばれ、褒められる。
しかし、実は肋骨を骨折していた。役のためにやせ我慢していたのだ。
家に帰れば、相変わらず母親は電話中。電話の相手に豆腐がどれだけすばらしい
食材か、熱弁している。
父親は遅くに帰ってきた。今日はどの女の上で腰を振ってきたのだろう。


56 名前:4/5 投稿日:2006/09/06(水) 00:08:10
そんな二人を見て、晴生は自室で泣く。その時、鴻ノ池先生が晴生の前に現れた。
彼の姿に勇気づけられた晴生は、階段を下りてキッチンにいる両親の元に行った。
電話をしている母親の前に行き、電話を奪う。電話から聞こえてくるのは時報。
母親は、ずっと電話をしている振りをしていたのだ。
冷蔵庫に敷き詰められた豆腐を両親に投げつけながら、晴生は叫ぶ。
「お前らは狂ってる!」

台本は、何度読んでも透けて見えることはない。

次のシーンは、いじめっ子をナイフで刺してしまうシーンだ。
晴生はそこでもリアリティを求め、監督に訴える。
こんな、偽物のナイフではなく本物のナイフを使いましょう、と。
もちろん、監督は了承しない。それどころか、晴生のこの役にかける熱意が
どこか狂気じみていることに感づき始め、おそれているようだ。
監督に許可を得られなかったが、晴生は本物のナイフを使った。結果は失敗。
晴生は手にケガを負ってしまい、監督にしばらく出番は作らない、と言われる。

気落ちした晴生が学校へ行くと、佐治が待っていた。
佐治は、どこか様子がおかしかったが晴生は気がつかなかった。
教室へ行くと、いじめっ子たちが待っていた。そのまま、屋上へ連れて行かれる。
いじめっこたちに囲まれる晴生。いじめっこのリーダーは、写真の束を晴生に見せる。
それは晴生がこっそり佐治からもらった、片思いの相手・夏美の隠し撮りだった。
実は、その写真を晴生が持っているといじめっこたちにチクったのは、
親友であるはずの佐治だった。


57 名前:5/5 投稿日:2006/09/06(水) 00:12:10
その時、誰かが屋上のドアを開けた。それは、夏美本人だった。
彼女は冷たい目で晴生を見、リーダーの元へ行く。
「この女は俺の女なんだよ! キモいんだよ、お前!」
リーダーはそう言って、晴生を馬鹿にしながら蹴りを入れた。
たが、晴生は以前の晴生とは違っていた。今、自分には鴻ノ池先生がいる。
晴生には、見えるのだ。そこに鴻ノ池先生の姿が。
鴻ノ池先生は、以前言った。
「痛みを知る人間は、人の痛みが分かる。お前は痛みを知っている。
 だから、ほかの人間よりも人の痛みが分かるんだ」
晴生のポケットには、撮影の時に持ち込んだナイフが入っている。
リンチを加えられながら、晴生は思う。
自分はこうして痛みを知っている。だから、彼らも痛みを知るべきなのだ。
晴生はナイフを手にし、その人を刺した。

ナイフは、夏美の腹部に刺さっていた。

「お前たちも、人の痛みを知れば良いんだ……そうだよね、鴻ノ池先生……」
晴生の目の前には、まだ鴻ノ池先生がいる――。

佐治はこの事件のスクープ写真を撮って、マスコミから金をもらった。
学園ドラマの出演者が傷害事件を起こし、連日報道される晴生。
しかし、そんな晴生を、鴻ノ池先生は救ってくれなかった。
現実の世界では、鴻ノ池先生は無口な俳優、赤井なのだから……


58 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/06(水) 00:13:39
結構前に見た映画なので、かなり脳内補完入っています。

明るいポップな学園コメディかと思いきや、
晴生がだんだんと狂っていく過程が怖かった。


64 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/06(水) 00:48:00
>53
長文乙
救いないな。てか、現実の世界に先生が現れるって、
春生の妄想?

66 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/06(水) 01:09:59
>>53
ぐぐったら、それ森山未來がやってるんだね。

69 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/06(水) 02:32:14
>>53 66
あー、ちょっと前にCMもやってたやつか。53の言うようにCMからは
ポップなドタバタ学園コメディな印象しか受けなかったけどそんな話だったのか。

81 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/06(水) 04:28:44
>>53乙。
長文は読まない派だったが一気に読んでしまいました。
なんとな~く映画『隣人13号』を彷彿とさせる話だったかな。
ストーリーは全然違うけど、妄想が入ってる所やいじめがキーワードな所も似てる。
タイトルだけは聞いたことあって、『はいはい学園物学園物』とスルーしていたら、
こんなに後味の悪く暗い話だったとはなぁ・・。
タイトルが明るいのはわざとなんだろうね。

 

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