ありふれた黄金
-
350 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/05(木) 02:43:17
- 昔、卓上ゲーム関連の本で読んだ話。
舞台はファンタジー世界。
ある時、黄金の島があると聞いた男たちは、その島へと向かう冒険の旅に出る。
全財産をはたいて購入した船で航海を続け、なんとか目的地にたどり着く男たち。
だが、島へ渡るための無理がたたり、そこで船は壊れてしまう。
しかし、その島は噂の通り黄金の宝庫だった。少し掘っただけでざくざくと金が出て来るのだ。
瞬く間に彼らは投資した以上の黄金を手に入れることが出来た。十分に黄金を手に入れた男達は、早速それを持って故郷に帰ろうとする。
それにはまず船が必要だ。
そう考えた男達は、人里に出て船を購入しようとした。もちろん、代金は今手に入れたばかりの黄金だ。
だが、島の住人は「そんなもので船は売れない」と断る。
「なぜだ、黄金なら持ち切れないほど持っているぞ」と迫る男たち。
彼らに対して住人は言った。
「そんなどこにでも転がっているような塊で、大事な船を売るバカはいないよ」
この島ではあまりにも黄金がありふれているため、石ころと同等の価値しかないのであった。
男達は、大量の黄金を持ちながら、無一文となり、島から出る手段を失ってしまったのだった。