ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その56 » ハミング(山名沢湖)

485 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/07(土) 11:30:14
「白のふわふわ」より「ハミング」

少女は幼い頃にクマ型のかばんを買ってもらった。
大事な物はいつもそこに入れる。
賞状、卒業証書、そしてはじめてもらったラブレター
彼と一緒に帰った日に摘んだ花
彼と行った喫茶店のクッキー
はじめてキスをした日には、クマに向かってキスをした

彼と会ってから世界が輝いて見えるようになった
デートの時にショーウインドゥの前で立ち止まる少女に彼はいう
「その靴今度のデートの時に買ってあげるよ」
素敵な靴がなおさら素敵に見えた

彼のバイトでデートの予定が潰れた
次のデートのために服を買いに行くと、彼が女の子を連れて歩いていた

部屋に帰るとクマがおかえりと声をかけてきた
少女の足元には手足を縛られ目隠しをされた彼がいた
「バイトの友達かもしれないってそう思えるうちに
 彼が大事なものでいるうちにしまっておきたいの」
クマは自らチャックを開けた

彼がいなくなってからはなにもかもが色あせて見えた
ショーウインドゥで靴を見てもちっとも素敵に思えなくなった
大事なものをしまう事がこんなに悲しいとは知らなかった
「まだわたしがみんなを大事でいられるうちに」
クマは世界全てを自分の中にしまった

目に写るものがなにもない世界で、少女はクマを背負って歩き出す
鼻歌を歌おうとしたが、世界中のメロディすらも今はクマの中でなにも浮かばない
少女は生まれてはじめて自分で歌をつくりだした


486 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/07(土) 11:39:38
>>485
リラックマ?

487 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/07(土) 11:47:36
すごいデカいクマなんだな

 

白のふわふわ―9 clouds of Yamana world (Beam comix)
白のふわふわ―9
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