ホーム » 小説 » 小説/た行 » 大佐の災難(デイヴィッド イーリイ)

234 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 15:44:27
短編集「ヨットクラブ」の中の「大佐の受難」 その1

退役し、ある田舎で牧場をやっている大佐の家に、ある夜隣人が訪れた。
大佐の牧場の柵に穴が開いていて、そこから大佐の牛が隣人の牧場に入り込んだというのだ。
大佐は侘びを言い、気持ちのいい隣人付き合いの大切さを彼に説き始めた。
なぜなら、以前彼が住んでいた町で、隣人トラブルで大変な目にあったからだ。

5年前、大佐は別の田舎町で暮らしていた。ある夜、ちょうど今夜のように隣人が彼の元を訪れ、
大佐の犬が彼の敷地に侵入し、鶏を食い殺したという。
しかし大佐の犬は躾られていて、鶏を襲うなどありえない。幾多の困難を乗り越えてきた大佐は、
隣人の目が狡賢そうに光るのを見逃さなかった。他人に難癖をつけ、嫌がらせをして
楽しむような人間というのは、どこにでもいるものだ。
大佐はさっそく町で隣人の評判を聞きまわるがなぜだか誰もも隣人を悪く言う者がいない。
それどころか、町の人間は間もなく大佐に敵意を見せ始める。隣人が町の人間たちを脅し、
大佐を追い出そうとしているのだ。


235 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 15:45:58
その2

しかし大佐は負けなかった。隣人が銀行の融資を受けようとしているのを知り、
先手を打って銀行の頭取に会いに行き、融資を断れば奴を倒すことができる、
今がそのチャンスだと、数時間に及ぶ粘り強い説得の末、融資をやめさせることに成功したのだ。
一度断られ、経営が苦しくなり始めると、もはや大佐が説得するまでもなく、隣人は次々と
借金を断られ、ついに破産してしまう。

だが、隣人はそれを逆恨みし、前にも増して大佐を憎しみの篭った目つきで見つめるようになった。
そしてある日、奇妙な物音を聞きつけた大佐が隣の家に行くと、隣人が庭で号泣しているのを目撃する。
完全に追い詰められ、今にもやぶれかぶれの行動に移りそうだ。大佐はそのポケットが膨らんでいるのを
見逃さず、自分が殺される前に隣人を射殺した。

ポケットの中身は銃ではなく小さなナイフだったが、もちろん人を切り刻むのには充分だ。
しかしおかげで裁判沙汰となり、大佐はなんとか陪審員を説得し、裁判には勝ったものの、
もはやその町には住んではいられなくなってしまい、今のこの町に引っ越してきたのだった。

「ところで妙ですな、柵に穴など開いてなかったはずですが・・・? おや、もう帰られるのですか?
 隣人同士、これからも仲良くやっていきましょう!」


236 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 15:49:38
これは、日本はどうすべきかを説いた深いお話ですね

237 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 15:53:36
教科書に載せたいお話ですね。

 

タイムアウト (河出文庫)
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