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829 名前:1/2 投稿日:2006/11/29(水) 10:29:31
 昔、どっかで読んだ短編小説。

主人公(物語の語り手「私」)は妻と2人で幸せな毎日を過ごしている。

会社からの帰り道に、二股の分かれ道がある。
どちらの道でも家に帰れるが、普段はなんとなく右の道から帰宅していた。
ある日、なんとはなしに、いつもと違う左の道から帰宅。
すると、家に妻の姿は無く、結婚前につきあっていた女がいた。
最初は驚いて彼女を問い詰めるが、彼女は今、彼の妻であると言いはり、本気で大泣き。
主人公が口にした妻の名を聞いても
「結婚前に彼女とつきあっていたのは知っている。
 今日は、ちょっと酔ってるんでしょ」
嘘をついているようには見えない。

どうやら、帰宅時に右の道から帰ると現妻(以後A)、
左の道から帰ると昔の彼女(以後B)と結婚した世界に行くらしい。
自分がBのいる家に行った日にも、Aの家には別の自分が帰宅していた。
妻たちにとっては、夫は毎日、自分の家に帰宅している。
主人公はAを愛していたが、Bにも未練はあったので捨てきることができず、
毎日、右の道と左の道を交互に選び、両方の妻と過ごし、やはり幸せに暮らしてゆく。

ある日、主人公に転勤が決まる。
急いで身ひとつで住居を移し、荷物はあとから送れ、ということになる。
今日で、今の家に帰るのは最後になる。あの分かれ道を通って帰るのも最後。
と、いうことは、どちらを妻とするかを決めて、以後はどちらか片方とのみ生活していかなければならない。


830 名前:2/2 投稿日:2006/11/29(水) 10:30:02
気持ちをどちらにも決められずに帰宅時間。帰り道、例の分かれ道で、立ち止まる主人公。
しばらく悩んでいると、帰宅が遅いのを心配した妻たちが迎えに来た。
右の道からは妻Aが。左の道からは妻Bが。
両方の妻の姿を見て、ますます決断できなくなる主人公。
妻Aと妻Bは同時に主人公を見つけ、声をかけて駆け寄ってくる。
このままでは、2人が鉢合わせしてしまう…

…と、思ったら、主人公がいきなり3体に分身。
右の妻Aと左の妻Bに駆け寄って行く2人の自分の姿を、呆然と眺める主人公。
やがて、2人の自分は、それぞれの妻に寄り添って歩み去っていった。
残されたもう1人の主人公(物語の語り手)は、ただ見送るしかできなかった。

その後、どうやって帰宅したのかは覚えていない。
気が付くと、家に一人。今の世界では、主人公は誰とも結婚せずに独身で通していた。
決断できなかった自分の不甲斐なさを悔やみながら、空しい日々を過ごすことを匂わせてEND。


831 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/29(水) 10:35:03
藤子不二雄のSF短編でありそうな話だ

832 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/29(水) 10:52:52
>>829->>830
三田村信行の短編集「おとうさんがいっぱい」にでてきそうな話だ……

836 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/29(水) 11:54:11
>>829-830
阿刀田高じゃないかなあ…

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