ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その61 » 闇の客人(諸星大二郎)

43 名前:闇の客人 1/3 投稿日:2006/12/16(土) 11:50:14
妖怪ハンターの稗田礼二郎が主人公の、諸星大二郎の漫画。
妖怪ハンターっていっても、出てくる妖怪とかをヌッ殺す訳じゃなくて、調査、研究が主な仕事。

舞台は大鳥町っていう過疎った町。
町興しのために100年以上前に断絶したと言われる、古い祭を復活させようとする。
考古学者でもある稗田は、祭りの考察、文献の調査を頼まれていたため、祭の当日に招かれる。
町に着くと、巨大な鳥居が稗田を迎える。
他にもレジャーホテルにキャンプ場、テニスコートが建設されていた。家族旅行村として売り出すらしい。
大鳥居自体は昔町にあった物を再現した物だが、向いている方角が違う。
他にも踊り手が鬼の面を付けたり、託宣(占いみたいなもの)を受ける巫女をミスコンで選んだり何だかチグハグ。
「これは本物の祭じゃない」と稗田は嘆く。

同じころ、大鳥町の祭のスタッフが東京に来ていた。大鳥町出身の老人を迎えるために。
老人を探し出し、大鳥町へ向かう電車で祭についての話を聞く。
自分が祭を見たのはまだ子供だったころ。祭では死人が出たこと。神隠しもあったこと。
話をするうちに大鳥町に着く。大鳥居を見て老人が呟く、「あの鳥居は鬼門を向いとるわ…」


44 名前:闇の客人 2/3 投稿日:2006/12/16(土) 11:50:45
で、祭が始まるがおかしなことが多発。
巫女が突然首をカッ切られて死んだり、
ホテルのレストランでシャンデリアが落下したりテーブルがひっくり返ったり。
ホテルの床に大きな足跡が出、一緒に得体の知れない虫が湧いたり。

稗田は祭スタッフのメガネに詰め寄る。
「これはおかしい。あなたは何か知っているんじゃないか?」
メガネは別の文献を見せずにいたこと、その文献が出たのはホテルの工事をしていたときのこと、
ホテルは古い神社を潰してたてたことを告白する。
稗田が出てきた文献を読むと、巫女は人身御供だったこと、
潰された古い神社は下社と呼ばれ、神を向かえる場所とのこと
祭が終わったら、神を鬼踊りと呼ばれる舞で送り出すこと…。

巫女を捧げ大鳥居から神を迎え、下社に留め富を得る。
これが本当の祭だった。しかしそれは託宣で吉が出た場合。
凶が出た場合、大鳥居から来る物は神ではなく鬼。
託宣で凶が出た時に、鬼を送り出すために踊るのが、鬼踊り。


45 名前:闇の客人 3/3 投稿日:2006/12/16(土) 11:51:18
祭の実態が分かったところでもう遅い。
鬼は下社、つまりホテルから出て踊り手たちを襲う。
宙に舞い次々と死んでいく踊り手。逃げ惑う観光客。

「鬼踊りをして鬼を送り出せれば。しかしでたらめな踊りでは。」
稗田の言うとおり、踊り手達は鬼に襲われている。
と、一人の老人が鬼の面を被り踊り始める。
祭のスタッフが連れてきた大鳥村の生き残りの老人だ。
踊る老人の後を鬼が追う。
大鳥居の近くまで来ると鳥居の向こうが明るくなり、どこかの景色が見える。
「門だ。鳥居は冥界の門だったんだ」稗田は言う。
鳥居の向こうには荒涼とした世界、鬼を連れた老人…。
鬼と老人が見えなくなると大鳥居は崩れた。
「祭は終わった…。永遠に…。」
稗田が呟き終了。

 

妖怪ハンター 地の巻 (集英社文庫)
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