ポーの一族/第十夜「はるかな国の花や小鳥」(萩尾望都)

913 名前:1/3 投稿日:2007/01/23(火) 22:26:11
読んだのがずいぶん前で、タイトルや登場人物の名前を覚えていないし、
細かいところは脳内補間が入ってしまっていると思います。
あと既出だったらすまそん。たぶんイトコが持っていた少女マンガです。

舞台はヨーロッパ風。
主人公の少年はある街で女性に出会う。
女性はすでに若いというほどの年ではないが、結婚はせず、
彼女を「お嬢様」と呼ぶ年配の女性と暮らしている。
彼女が結婚しないのは、若い頃に恋をした、隣町に住む男のことを忘れらないから。
主人公は彼女に尋ねる。
「会えない人をなぜ思い続けられる?」
彼女は語る。
「ふたりで森の中を歩いていたの。・・・木々の間にお城が見えたわ
 『お城が見えるわ』彼は『ああ本当だ、お城だね』と答えたの」
「それだけ?」
「ええ、それだけ。そこには本当はお城なんてなかったわ。私の見間違い。
 でも『お城だね』って答えてくれたあの人が好きだったの」
たった半年ほどの短い恋。たったそれだけのエピソード。それでも彼女には一生の恋だったと言う。


914 名前:2/3 投稿日:2007/01/23(火) 22:28:16
主人公は隣町に住む男に会いに行く。
女性の名前を言い、「彼女を覚えている?」と問う。
男は「それは、誰だね?」と答える。
無理もない、ずっと昔の、たった半年の恋。

主人公はその足で女性の家へ向かう。
そして彼女に「あの人に会ったよ。あの人、あなたのこと・・・!」
微笑む女性に本当のことが言えず、「・・・覚えていたよ」と言ってしまう。
女性は幸福そうに微笑みながら、伝え聞いた男の噂を語る。
「口ひげを生やしたと聞いたわ・・・。似合っていた?」

一方、男は、女性の名前が誰の名だったか思い出せず、その後もしばらく悩んでいた。
ある日街角で主人公とよく似た後ろ姿の少年を見かけ、声をかける。
「きみ・・・!」振り向く少年。人違いと気がついたとき、車が突っ込んできた。


915 名前:3/3 投稿日:2007/01/23(火) 22:31:26
男が事故死したという知らせは女性のもとへも届く。
ちょうど近所の子供たちを集めて歌を教える会を開いていた女性は、
「ごめんなさい今日は、・・・これでおしまいにして・・・」と子供たちを帰し、
使用人の女にひとりにするよう言いつけ、部屋に閉じこもる。
彼女はナイフを自らに突き立てていた。
主人公たちが気づいて部屋に押し入ったため、女性は一命を取り留めた。
だが、二度と他人とはコミュニケーションを取れない人になってしまっていた。

以上。

女性は、最後まで男を思い続けて、夢の国の人になってしまうほどなのに、男のほうは名前すら覚えていない。
やるせない気持ちがいっぱいだった記憶があります。


916 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/01/23(火) 22:56:42
>>913-915
後味悪い、っていうより何だか切ない話だね

920 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/01/23(火) 23:04:25
>>913-915
「ポーの一族」はるかな国の花や小鳥。
主人公の少年はエドガー、女性はエリゼだよ。
この話アランはあまりからんでこない。

 

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