ブラックジャック/第18話「二度死んだ少年」(手塚治虫)

231 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/02/16(金) 22:00:33
ブラックジャックから、印象的な話を。
ある青年が殺人(尊属殺人だったかな?)を犯す。
犯行後、彼は自暴自棄になってビルから飛び降りるが奇跡的に一命をとりとめる。
ただし全身はズタボロで話をすることもままならない状態で、まさに生ける屍。
殺された被害者が社会的地位の高い名士だったこともあり、
検察側は犯行時の状況や動機などをどうしても明らかにしたいため、犯人の証言を欲しがる。
そこで名医ブラックジャックに白羽の矢が立ち、最初は渋っていたBJも
犯人の青年を元の身体に戻すことを動機づけにして神業的な処置を施し、見事に青年の身体を快復させる。
ここまではよかったのだが、問題は結末。

快復して「無事に裁判を受ける」ことが出来るようになった青年。だが、彼に下された判決は死刑。
頭を垂れて判決を受け入れ、退廷していく青年。その時傍聴席から怒声が上がる。声の主はBJ。
「ふざけるな、何の為に治したと思ってるんだ。わざわざ死刑にするために彼を救ったのか」
「放っておけば死んだはずの人間を、あんたらは二度も殺すのか」
「私はそんなことの為に治療を施したんじゃない」
青年は背中にその憤りの声を聞きながら退廷する。

死刑執行の日、目隠しをした青年は刑務官に問いかける。
「判決の時、傍聴席で怒鳴っていた方はどなたですか」と。
「お前の身体を治療した医師だ」と教えられた青年は、
「その人にありがとう、と伝えてください」と言い残して絞首台を上った。

後味が悪いのに胸を打つ結末というのも結構珍しいかな、と思う。


238 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/02/17(土) 00:57:57
>>231
絞首刑じゃなくて電気椅子だったけどな
「ありがとうと伝えて下さい」というセリフは電気椅子に座って
頭に頭巾みたいなの被されてて、表情が見えないところが
また良いんだけどな

272 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/02/17(土) 18:25:19
>>231の話は「二度死んだ少年」という話だね

 

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