風と木の詩(竹宮惠子)

268 名前:風と木の詩 1 投稿日:2007/04/23(月) 01:41:14
「風と木の詩」

投下する前に書いとく。
これは所謂「ソドミィ」とか言う同性愛ものなので
嫌いな人はスルーして欲しい。
一度、暇つぶし程度に読んだだけなので記憶違い等があったら申し訳ない。
あと話が長いので、順序はちょっと弄った。
長文です、すみません。

亡き父の母校である学院(全寮制?)に転入したA少年が
「小悪魔」「娼婦」と呼ばれるB少年と同室になる所から物語は始まる。

ジプシーと貴族の間に産まれたA少年は、素直でまっすぐな性格。
母はジプシーで娼婦、父は貴族だったが、2人は恋に落ち、駆け落ちした。
その後、Aが生まれ幸せな暮らしを送っていたが、父は結核で死亡。
Aは父の実家に引き取られた(その後、母も同じ病で死亡)。
Aはその明るい性格で周囲に打ち解けるが、叔母は彼を拒絶する。
ある時から同居する事になったイトコの少女は、Aに恋をする。
しかしAは少女の気持ちを受け入れる事が出来ずに居た。
事故が起こり、少女はAを助ける為に顔に大怪我をおう。
Aは一生少女の傍に居ようとするが、誇り高い少女はそれを拒絶する。
屋敷に居られなくなったAは、学院へ転入した。


269 名前:風と木の詩 2 投稿日:2007/04/23(月) 01:41:56
貿易商の子供、B少年は学院内に多数の「愛人」を持ち、放蕩の日々を送っている。
Bは歪んだ子供で、肉体関係を持つ事でしか相手を推し量れない。
そんなBが欲している相手はたった1人だけ。

その人物は彼の叔父。
実はBは叔父のCと義兄の妻との不倫の末に産まれた子供だった。
Cは自分の子供であるBを、「実験」と言う名目で育てる事に。
劣悪な環境の中、動物の本能とも呼ぶべき美しさを持ったまま成長するB。
ある日、叔父Cの友人で同性愛者のD(これまた金持ち)にレイプされる。
怒り狂うC。CはBをよりいっそう縛り付け、支配下に置く。
BはCに愛されたいと思うが、それは叶わない。
色々あった後、Bは自殺未遂を起こし、哀れに思ったDがBを助け船を出す。
Dに癒されながらも、結局叔父であるCを忘れられないBはCの元へ。
CはBを自分の支配下から出さないために、強制的にCを学院寮へ入れる。

Aは他の友人達同様にBと仲良くなりたいと思う。
しかしBはAを誘惑したり、セックスしまくったりで周囲と諍いを起こしまくる。
Bに翻弄される日々を送るA。

ある日、Cが学院にやって来た。CはわざとAを可愛がり、Bを無視する。
Bは嫉妬で狂わんばかりになり、大喧嘩になる2人。
なかなか打ち解ける事が出来ない2人だったが、紆余曲折あり
(CがしつこくAに手紙を書いて来たり、それを見てBがギリギリしたり)
AはBに惹かれている自分に気がつく。
Bもまた、何があっても自分とまっすぐに向き合ってくれるAを受けいれる様になる。


270 名前:風と木の詩 3 投稿日:2007/04/23(月) 01:42:38
2人は親睦を深め、Bも普通の少年らしくなってゆく。
途中でCの邪魔が入ったり、AがCにレイプされたりするが
BはCの呪縛を解き、初めて自分の意志で学院に戻る事を決意する。

しかしAはなかなかBと肉体関係を持とうとしない。
肉体関係でしか相手を推し量る事の出来ないBは孤独を募らせる。
Aに恋する少女が出て来たり、鬼畜CがAのイトコ(Aを助ける為に
大怪我を居った少女)と婚約したりで、Bはますます孤独感を募らせ、
ついにはAと大喧嘩をしてしまう。

でも結局、AがBを受け入れて、2人は結ばれる。
幸せ気分のBを叔父のCは放っておかず、またちょっかいを掛けてくる。
再び自殺未遂を起こすB。2人は駆け落ちし、学院を逃げ出す。

2人で暮らし始めたAとBだったが、
真面目なAと違い、Bは貧しい生活に不満を持つ。
現実と理想の狭間で揺れるB。2人はまたすれ違い始める。
そんな頃、Bは売春組織の元締めに目を付けられる。

売春組織の男を怒らせた事で、2人は仕事を失う。
2人を救ったのは、以前もBを助けたDだった。
2人は何の苦労も無い生活に戻ったが、真面目なAは
その生活に耐えられなくなり、Dの家を出る。Aを追うB。
Dは2人の破滅を予感しながらも、その背を見送る。


271 名前:風と木の詩 4 投稿日:2007/04/23(月) 01:43:21
再び2人で暮らし始めたが、売春組織の元締めはBを諦めていなかった。
Bは薬漬けにされてゆく。
Bと別れた方がいい、と言うかつての同級生の言葉や
日々の暮らしに追われ、Aはそれに気がつかない。
AがBの様子に気付いた時は既に遅く、Bは後戻り出来ない所まで来ていた。

薬をやめる事の出来ないBは家を飛び出す。
そんなBを、組織の下っ端男は「金持ちに売ろう」と考える(組織の許可ナシ)。
待ち合わせ場所には、組織の元締めが下っ端を待ち構えていた。
下っ端はあっさりと殺される。
Bを買う予定だった男は、その場から立ち去ろうと馬車を走らせる。

錯乱状態のBには、その男が叔父のCに見えた。
馬車に突っ込むB。

Aの元へ戻ったBは、既に生きてはいなかった。
Bを救う事が出来なかった、何もしてやれなかった、と後悔するA。
抜け殻の様になったAは父の実家へ戻る事になる。

懐かしい父の家で、父やBの事を思いながら、徐々に正気に戻るA。
そんなAの傍に、Bの魂がそっと寄り添う姿が描かれて終わり。

なんかもう・・・orz


272 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/23(月) 01:53:13
その後Aは
結局Bのことを思い切れず
Bにそっくりな女と結婚して
夫婦生活関係はあまり幸せではなかった、
(主に気の毒なのは妻だが)
という後日談も付け加えてやろう。

277 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/23(月) 02:13:58
>>272
な、なんだってーーー

299 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/23(月) 11:13:13
>>268
鬼畜と結婚したイトコの少女はどうなったんだ…。
Bは自業自得っぽいな

300 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/23(月) 12:48:30
>>268
どんどん襲い掛かる変態と不幸の嵐。
後味悪いというより笑った。
こういうのを見て育った世代が現代ドラマに満足できず
韓流にハマるのかと思うと、納得w

302 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/23(月) 13:31:52
>>299
従妹はたしか結婚してない。
心が壊れたAを迎えに行ってたし。

諸悪の根源はCの義兄と義父。

Cは幼少のころ義兄の性欲の捌け口として義父に引き取られた。
義兄が結婚後も妻よりCに関心を持つので
嫉妬した妻が幼いCを誘惑するも、義兄に見つかりCに罪を擦り付ける。
Cは義兄に大やけどを負わされ、やがて産まれたBは母に大いに憎まれ、
BはDの後すぐ実父にも犯され、それでも愛を得たと喜ぶ幸薄いBを、
愛に飢えていた時の方が良かったとCは突き放し…
とまあ滅茶苦茶な環境で育ったB。あんま自業自得って感じではない。

全編のテーマは美や善悪の解釈でもあり、骨太で面白い。
後の作者の増長振り、作品の劣化は痛いが。

 

風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)(全10巻)
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風と木の詩 全10巻完結(文庫版) (白泉社)
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