ホーム » 小説 » 小説/タイトル不明 » 過去に引きずりこまれる

378 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/08/28(火) 20:30:21
オムニバス短編のうちの一つだったと思う

とある女性は、父の知り合いの息子に一目惚れをする。
青年は古くから続く家の次期当主だし無理だろうと思っていたが、
女性が好意を持っていると聞くやいなや青年はいきなり求婚してきて、即結婚。
初夜の後に眠る青年の顔を見ていたところ、青年は泣きながら、「~~姫…」と女性の名をつぶやいた。
青年には思う女性がいる、しかも現代日本で姫とはどういう事だ、女性は青年の友人に相談する。
友人は女性を離れの部屋に連れていった。そこでは仕事で家を空けているはずの青年が眠っていた。

青年の一族は特殊な能力を持つ者が多く、同じ血をわずかに引いている友人も
物に触れるとその物に染みついた思念を感じてしまう事などがある。
より強い能力を持つ青年は、古い物などに触れると、その物に宿った思念に感応し、
意図せずにその時代に精神が引きずり込まれる事があるのだという。今の眠っているのがその状態。
かつて一度だけ体ごと引きずられる時もあり、
その時に青年は今の時代には存在しない姫君と深い関係になってしまったという。
過去に飛ぶのは意図的にできるわけではなく、青年はもう二度と会えない姫君に恋をし続けたままで、
それでも次期当主として妻を娶る義務があるので、愛してもいない女性と結婚したのだった。

女性は苦悩するが、それでももう既に青年への思いは消せなくなっていた。
違う時代を生きる姫君に恋し続ける青年をなんとか現実に引き戻そうと尽くすが、青年の思いは変わらない。
それは妊娠してからも変わらず、お産がはじまっても、
また青年は精神が飛んで眠りに落ち、側にさえ来てもらえない。
わりと頻繁に過去の時代へ行ってしまう青年はいつか例の姫君とも再会してしまうのかもしれない。
お産に苦しみながら女性は、今まさに生まれようとしている子供に向かって念じる。
青年の血を引く子供にも同じ能力があるはず、どうかその力で青年の元に自分も行かせてくれと。

子供は無事に生まれたが、女性は亡くなってしまった。やがて目覚めた青年は友人に言う。
遠い時代から体に引き戻ろうとする自分の精神の横を、女性の精神がすり抜けていったと。
女性の精神は、戻る力もなく永遠に違う時代をさまよい続けるしかないのだろうと。
青年は女性の名をつぶやき泣くのだった。


379 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/08/28(火) 20:33:19
後味悪いって言うか
その青年も最後に泣けばいいってもんじゃねーだろ

380 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/08/28(火) 21:44:56
女はそこまでしてようやく「男に名前を呟いて泣いてもらえる女性」という立場を
手に入れられたというわけか・・・。
やるせないー。

381 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/08/28(火) 21:53:00
両親の恋愛沙汰の影で、ろくに愛情も与えられず、
殆ど道具扱いされてる子供が可哀想過ぎる。

382 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/08/28(火) 22:36:06
死ぬ覚悟で青年を愛したんだね、やっぱり女は新品じゃなくっちゃね

中古だったら、こうはならないよな


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...