物語が現実になる

40 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/15(土) 16:45:28
何年か前に見た外国版世にも奇妙な物語みたいなドラマの話。
見たのがもう何年も前なので細部かなり間違ってると思うのですまん。

主人公の男は弟との待ち合わせ場所のカフェに向かう途中、
電話に気をとられて男の人にぶつかってしまう。
その弾みで持っていた飲み物を相手にぶっかけてしまい思わず謝るが、
その男はひどく怒って聞いたことのない外国語のような言葉を主人公に投げかけ去っていってしまった。
カフェに行き、先ほどこんなことがあったと弟に話すと「呪いでもかけられたんじゃねーのか」と言われる。
弟と話をしてる途中ふとウェイトレスの自分に対する態度が異常に悪いことに気づくが
かまわず弟と話をしていると何故か段々と弟の態度も豹変していく。

会社に行くと上司に何の理由もなく突然クビにされ、怪訝な気持ちで帰宅する途中
主人公は誤って工事現場に入り込んでしまう。すると工事現場の作業員に
「作業の邪魔しやがって!」と異常な剣幕で怒られ工具で殺されそうにまでなってしまう。
慌てて逃げ出した主人公は近くにいた警官に工事現場に間違って入り込んでしまっただけで
殺されそうになったことを訴えるがまったく相手にされない。
警官曰く、主人公の話してる内容は最近ベストセラーになってる小説の内容とまったく同じものだという。
諦めずに食い下がる主人公だが「警察をからかうな!これ以上しつこいと撃つぞ!」と脅され
仕方なくその場を去る。

先ほどの警官の言葉が気になり、本屋に立ち寄る主人公。
そしてその小説を見つけた主人公は愕然とする。その小説の表紙の男が自分にそっくりな上に
その小説の主人公の名前まで自分とまったく一緒、
小説の内容も今までの自分の体験がそのまま書かれていた。
あれは本当に呪いだったんだと主人公は確信する。更に読み進めていくとその呪いは
周りの人間の憎悪を掻き立て、すべての人間に憎まれるというものだというのがわかった。

愕然とした気持ちで家に帰ると妻が
「今日面白い本を見つけたの、ほらこれ見て、表紙の男の人があなたそっくりで名前まで一緒なのよ」と
嬉しそうに話かけてくる。
主人公は驚いてその本は駄目だ、その本は捨ててくれ、と今まであった経緯を話すが
まったく信じてもらえない。


41 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/15(土) 16:46:02
段々と激しい言い合いになりそのうち妻も
「あなたことなんか前から嫌いだったのよ!もううんざりだわ、殺してやる!」と言って
拳銃を持ち出し主人公に襲い掛かってくる。
もみ合いになるうちに誤って妻を撃ち殺してしまった主人公は、
これもすべて小説の作者のせいだと作者の家に押しかける。
ちょうどその小説の続きをパソコンで書いている作家に銃を突きつけ、今までの経緯を話し
お前のせいで俺の人生はめちゃくちゃだ、小説を書き直せ!
「すべて夢だった、目が覚めたらいつもどおりの朝で隣には妻がいつものように眠っている」と書き直すんだと要求する。
「夢オチはありきたりじゃないだろうか…」とブツブツ文句を言いつつも主人公に銃を突きつけられ
仕方なく作家はラストを書き直す。
「よし、それでいい」と言うと主人公は持っていた銃で自分の頭を撃ち抜き自殺した。

場面は変わってバーのようなところで作家がインタビューを受けてる場面になる。
「それで、ラストは夢オチにしたんですか?」
「まさか、彼が死んだ後ちゃんと元通り書き直したよ。たまにいるんだ、
 ああいう熱狂的なファンというか主人公に対する思い入れが強すぎて
 妄想と現実の区別がつかなくなってるような人が」
バーのテレビではホラー映画の宣伝が流れてる。作家はそれを見て
「私の作品はああいう単純なパニックホラーとは違うんだ、
 あんな一ファンに私の作品を汚されてたまるか」
とインタビュアーに答えた。
インタビューが終わり、バーから出ようと出口に向かって作家が歩いていると男とぶつかってしまう。
男の手から原稿用紙がバサバサと落ちる。作家はそれを気にせず外に出た。


42 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/15(土) 16:46:49
車で帰路につく作家。
カーラジオからは「凶悪な殺人犯が何人も人を殺して逃走中、付近の住人は気をつけてください」といった
内容のニュースが流れているが作家はそれを聞き流していた。
すると突然車が止まる。エンジントラブルかと思い、車から出てボンネットを開けると中に
くしゃくしゃになった原稿用紙が挟まってるのを見つけた。
怪訝に思いながらそれを開くと「ちゃんとラジオを聞いていれば作家は死なずにすんだのに」と
書かれている。そして作家の背後から斧を持った殺人鬼が近づいてきて…
作家の後ろで斧を振り上げる殺人鬼の影、振り向いて悲鳴を上げる作家、その構図が
テレビで宣伝してたホラー映画のポスターの構図と重なってEND。