日野OL不倫放火殺人事件

710 名前:日野不倫OL放火殺人事件 1 投稿日:2008/02/14(木) 14:43:17
1993年、東京。

12月14日、午前6時20分。頬に冷気の吹き付ける早朝、
5階建てアパートの階段を息を切らしながら上っていく女がいた。
両手には満タンのポリタンクと、ガソリンを口まで詰めたペットボトルが5本。
彼女は4階のある一室の前で足を止めると、合鍵でドアを開けた。
そして居間に上がりこむと、ポリタンクとペットボトルの中身をそっくり床にぶちまけた。
その部屋の世帯主であるAは、妻の運転で通勤駅へ向かっているところだった。
夫を下ろしたあと、妻はアパートに戻り、子供たちを起こして朝食を食べさせる、
というのがこの家の習慣であった。つまり、今この家には2人の子供しかいないのである。

女は撒いたガソリンに、ライターで着火した。
その途端、揮発ガソリンに引火したことによる爆発が起こった。
爆風で女は玄関まで吹き飛ばされ、背中から叩きつけられた。
一瞬気を失ったものの、すぐにはっと意識をとり戻し、そのままあとも見ずに家を出て階段を駆けおりる。
炎のまわりは早かった。のちに焼け跡からは2人の幼児の死体が発見される。
6歳の長女は頭蓋が割れて大脳が露出し、さらに両腕を焼失していた。
また1歳の長男は両腕と膝から下が消失していた。

犯人の女はアパートへ帰り、薬局で市販の傷あてシートを買い、自分で手当てした。
その後、川崎市の病院へ通院。この通院記録がもとで、彼女への警察の容疑が固まった。
捜査の手がせまっていることをうすうす感じた女は、2月6日、父親に連れられて自首した。
彼女は焼け落ちた部屋の世帯主、Aの元部下だった北村有紀恵(27歳)であった。


711 名前:日野不倫OL放火殺人事件 2 投稿日:2008/02/14(木) 14:44:53
有紀恵は1966年、東京で生まれた。幼い頃から成績優秀でしっかり者、
理数が得意で都立大学理学部数学科にストレートで入学した。女子の少ない数学科において、
色白で愛嬌のある美人タイプだった有紀恵は男子生徒の間でも人気を集める。
しかし当時、特定の相手はいないようであったという。
卒業後はNECに総合職として就職。その研修中、指導にあたったのがAであった。
ふたりは少しずつ親密になり、外で2人きりで食事したり、メールで連絡を取り合い
デートを重ねるようになる。だがAはこのとき結婚3年目で子供が1人いた。
有紀恵はAと会いやすいよう、ひとり暮らしをはじめる。男女の関係ができたのは
1991年のことで、花火大会の夜、Aが有紀恵の部屋にやって来たのである。
1度関係ができてしまうと仲が深まるのは早く、Aは多いときには週に2回も
有紀恵宅に泊まっていくほどの入れ込みようだったらしい。

712 名前:日野不倫OL放火殺人事件 3 投稿日:2008/02/14(木) 14:46:34
12月、Aの妻の妊娠が発覚。
翌年4月、有紀恵が懐妊するが、Aは「堕ろしてくれ」と言った。
彼女はAの妻が臨月近いこともあり、時期が悪いのだと自分に納得させ、堕胎する。
7月にAの妻が出産をひかえ実家に帰った。そのすきに2人は長野へ1泊2日の旅行へ行き、
その後出産を終えて妻が戻るまで、Aは有紀恵の部屋に泊まりつづける。寝物語で
「妻と離婚する気はある」、「ただの浮気なんかじゃない」と言うAを有紀恵は信じた。
またこのころから、Aの避妊がぞんざいなものになりつつある。

713 名前:日野不倫OL放火殺人事件 4 投稿日:2008/02/14(木) 14:48:32
年が明けたが、Aに離婚する様子はなかった。
それでも口では「もう少し待って」
「長女が幼稚園に馴れたら、ことを起こすから」と繰り返す。
3月末、有紀恵が2度目の妊娠。これも堕胎した。
有紀恵はこの頃になると、さすがにもうAの真意はうっすらわかっていた。
別れを考えるものの、しかしふんぎりが付かず、だらだらと関係は続く。
それを断ち切るように、5月になってAの妻から有紀恵のもとに電話がかかってきた。
「なんで電話したかわかってますよね。あなた、主人に家庭があることをわかってて
 付き合ったんでしょ。だったら大きな顔できませんよね、うちの主人がレイプしたわけでも
 あるまいし。私は別れませんし、あなたにも落ち度があるんだから慰謝料なんか払いませんよ」
と、受話器越しにまくしたてられ、有紀恵は動揺した。
また、Aがまだ何も妻に話していないのだということもわかり、二重のショックを受けた。
それから夜となく昼となく、Aの妻から電話がかかってくるようになった。
不倫していたことへの自責の念と、妻の激しい連日の罵倒に神経がすり減り、10日で15キロ近く痩せた。

714 名前:日野不倫OL放火殺人事件 5 投稿日:2008/02/14(木) 14:50:16
夏になり、双方で弁護士を立て話し合いをすることになった。しかし協議にAは現れず、
「離婚するなんて言った覚えはない。中絶の責任も俺にはない」と弁護士を通して
一方的に言うだけだった。
Aの妻からの電話もやまず、
「あんたなんか、子供を平気で腹から掻き出せる程度の女じゃないか」と勝ち誇ったように言われ、
嘲笑われた。女にとってこの上なくつらい中絶経験を夫婦揃って侮辱するこの行為に、
それまでの「私が悪いのだから」という気持ちが、白黒反転するかのように憎悪に変わった、
とのちに有紀恵は語っている。

715 名前:日野不倫OL放火殺人事件 6 投稿日:2008/02/14(木) 14:52:30
有紀恵はガソリンとポリタンクを犯行2週間前に購入。
A夫婦が朝、家を出る時刻まで調べあげていた。取調べの際、
「子供を失った気持ちを、あの人たちにも味わわせてやりたかった」
と供述しているところからみても、最初からA夫婦ではなく、
子供たちを狙った犯行であったようだ。
地裁判決は求刑通り、無期懲役。ならびにA夫婦は有紀恵に対し、
1億1300万円の賠償を求める民事裁判を起こしている。Aの妻は、
「彼女に支払い能力があるとかないとかは問題ではない。世間が同情しようが私だけは許さない」
と語った。
だが自分の夫のことは許したようで、事件直後に妊娠。
その後も離婚はせずさらにもう一度妊娠・出産した。
なお彼女は有紀恵を電話責めにしたこと、彼女を中絶の件で侮辱したことについては否定しているが、
これは公判中の証言ではない。2001年夏、上告棄却。有紀恵の無期懲役が確定した

717 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 15:08:13
現社の資料集に載ってたなあこの事件。
週刊誌なんかでは夫婦がバッシング、
犯人の方に同情的だったとか(奥さんの中絶侮辱の件で)。
獄中で励ましのお手紙いっぱいもらったそうだ。

718 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 15:10:04
何で犯人が同情されるんだろう?
昔は不倫に大らかだったから?
今だったらありえない反応だ。

719 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 15:16:00
>718
考え方によっちゃ、
「色恋沙汰に手慣れた男が、妻がいるくせに、ウブな若い女の子をたらし込んだ」にもなるからな。

724 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 15:37:47
>>716
毎晩電話で罵倒するとかは尋常じゃないと思うが。
旦那を責めるべきなのに、完全に怒りの矛先が女に向かってるし。

726 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 15:48:27
>>724
自分もこの奥さんはどうかと思うが、
どんな風に旦那から説明されてたかこれじゃ解らないから、仕方ないかもとも思う。
女から誘惑されて仕方なかったんだ・・中絶もすぐ応じるような軽い女なんだよ!みたいに
女が完全に悪いと言われてたかも。

この加害者も心神喪失とか認められてもよさそうなものだけど。
電話があってから犯行に至った時は明らかに頭おかしくなってそうだし。
(いや認められて無期なのかもしれないけど。)
でも子供殺したのは許せないか。

彼女に憧れてた大学の同級生なんかはやるせなかっただろうな。
もともとDQNってわけでもなし、別の出会いがあったらもっと幸せで平凡な人生送れただろうに。


728 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 15:53:32
>>日野不倫OL放火殺人事件
放火に関しては犯人女が悪い
不倫は被害者旦那と犯人女が悪い
犯人女罵倒としつこい電話は被害者妻がやりすぎてて悪い
まとめて考えると犯人に同情的になっちゃうけど
それとこれとは別で考えないと、と思う。

729 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 15:57:53
>>724
旦那も奥さんに殴られて「気合を入れてもらった」みたいなこと言ってるし、
北村だけ責めてたわけじゃないんでは?
>>726
犯行状況読む限りでは夫妻が出かけるのを見計らって部屋に侵入して放火する、
など冷静に行動してるし、こういう場合って心身喪失とか認められるものなの?
北村は手記で心神喪失が認められるべきだった、って検察?を批判してた
みたいだけど。

731 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 17:25:15
てか犯人の女が馬鹿すぎなんだよ。堕胎それも二回もしたのに
まだ男の事を信じてたんだし。そりゃ奥さんも文句言いたくなるわな。
殺人に比べりゃ奥さんがやった事は可愛いもんだよ。

732 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/02/14(木) 17:45:36
確かにな

でもそこまで行くともう「信じる」ことが強迫観念になっちゃうんだよ
宗教と同じでさ
信じるのをやめると
じゃあ今まで信じてた自分の苦しみや苦労はなんだったの?
子供をおろしたのは無意味だったの?
ってなっちゃうから

犯人が一番悪いのは完全に同意する
無関係の子供に矛先を向けたのは許せん
許せんが
でもそこに至る心の筋道は理解は出来る

 

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