PM 2:30 21F(三原順)

399 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 10:33:57
三原順の後味悪いでは「Self Murder Series」がけっこう来る。

離婚した中年男性。会社での立場は微妙。
最近企画が当たったおかげで今のところは順調だが、これが長続きしないことは自覚している。
一人息子が夏休みに帰っきており、一緒に釣りに行こうなどと計画していたが、
今まで何度も仕事の都合で家族行事を潰してきたので、息子の方は友達と過ごす予定だとはなから相手にしない。
友達とキャンプに行く準備をする息子に
「なあ、もし私がお前と……愛することの素晴らしさや……
 信頼することの尊さ……誠実であるべき道義上の問題……
 そういうことをお前と話したいと言ったら……」
と語りかけ、そこで言葉に詰まった男に息子は
「気でも狂れたの?」

主人公は医者から癌の宣告をされ、自分の寿命が長くないことを知っており、
せめて今まで貯めたお金を使い果たす前に息子に残してやろうと、自殺の計画を立てていた。
かつて野心家でいつかこの会社のトップに上り詰めるつもりで居た
当時の自分へのオマージュとして、
重役達のオフィスが在る23階から飛び降りようと、非常階段を上っていた。
やっと21階だ。後2階昇ったらと言うところで、胸の痛みでうずくまる。
「藪医者め、心臓が悪いなんて一言もいってなかったじゃないか待ってくれ、まだ今は21階の……」
中途半端は場所で主人公は息を引き取った。


401 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 11:24:28
後半の主人公の行動がgdgd過ぎて泣けてくるな・・・

>せめて今まで貯めたお金を使い果たす前に・・・自殺の計画を立てていた。

使い果たしたり、逆に生命保険をかけて家族のためにお金を残したい、
とかだったら筋が通っている気もするが、何という中途半端・・・


402 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 11:37:44
>>401
アメリカじゃ自殺で保険金下りない。
延命のために遺産を使い切る前に……って話。

「もし私の病気が会社に知れたなら昇進はおろか現状の維持さえ難しくなる
 優遇してくれる転職先も無いだろう
 体調を伺い……合間にしか仕事が出来ない人間には誰も期待しないものだ

 だからお前が社会に出る前のために
 有力なコネを用意しておいてやる事もできないし
 もし残せるとすればたった一つ……
 金しかない

 だったらそれまでも
 ただ死を遠ざけるためにだけ
 行き続けるためになど
 使い切ってしまう事はない」


403 名前:402 投稿日:2008/05/23(金) 11:42:24
行き続けるためになど ×

生き続けるためになど ○

間違えた。欝だ。死のう。

>>401そのgdgd感が等身大というか
身に抓まされるgdgdというか。


405 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 13:10:32
まあでも生命保険くらい
まっとうな社会人なら入ってるだろうし
結果としては
その中途半端な場所でぽっくり死んだことで
貯金を使い果たしもしないし
生命保険も残せる
って言うある意味最高の死に方になったんじゃないか?

あれ?後味が・・・

 

三原順傑作選 (’80s) (白泉社文庫)
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