ホーム » 小説 » 小説/ま行 » 毟りあい(筒井康隆)

148 名前:本当にあった怖い名無し :2008/07/25(金) 18:18:15
筒居康隆「毟りあい」※グロ注意
ある日家に帰ると黒山の人だかりができていた。
何でも刑務所から脱獄した犯人が家に妻と子を人質にしてたてこもっているらしい。
マイクとフラッシュと野次馬達の好奇の目をかいくぐり、やっと警察のところまでたどり着く主人公。
しかし警察は「下手に動いて犯人を刺激して、何か起きたら責任がとれない」と及び腰だ。
「それなら僕が説得する。弁舌には自身があるし」と主人公は提案するが、
「やめといたほうがいい」と警察に一蹴される。
「犯人はあなたみたいなエリートサラリーマンを僻んでいる。
 余計、犯人を逆上させるだけだ」と暗い薄笑いを浮かべる刑事。
「エリートサラリーマンを僻んでいるのはお前だろうが」と思いつつ、
埒が明かないため犯人を説得してもらおうと、主人公は犯人の家族がいるアパートへと向かう。
アパートに着き、犯人の奥さんに説得してほしいと頼むが、
「あの人とはもう何の関係もない」と冷たく突き放される。
何かが切れてしまった主人公は、そのまま犯人の奥さんと子どもを人質にしてアパートに立てこもる。

149 名前:本当にあった怖い名無し :2008/07/25(金) 18:19:10
警察に「犯人の家をのっとった」と電話をかけ、家につないでもらう。
主人公「今すぐ家を出て行かないと、お前のガキの小指を切り落とす」
犯人「なっ、そんなことをしたら、お前の子どもの小指を切り落とすぞ!」
主人公「そしたら俺はガキの薬指を切り落とすだけだ」
そして電話を切り、犯人の子どもの小指を切り落とし警察にそれを犯人のもとへと運ばせる。
翌日、報復として主人公の元へ自分の子どもの小指が届けられる。
逆上した主人公は、子どもの薬指を切り落として運ばせる。
すると今度は主人公の元へ自分の子どもの薬指が……(以下略)
最初はそれを泣いて止めようとしていた奥さんも、右手の指が全てなくなり左手に移行したあたりから、
主人公を従順に手伝うようになった。
主人公はそんな奥さんに暴力をふるい犯した。
きっと家でも同じようなことになってるんだろうなあと思う度に、悲しくなりもっと激しい暴力をふるった。

150 名前:本当にあった怖い名無し :2008/07/25(金) 18:20:07
子どもの指が全てなくなり衰弱死すると、主人公は奥さんの指を送りはじめた。
そして犯人も妻の指を送りつけ始めた。
この頃になると警察もマスコミも引き上げ、
当初の目的も忘れ二人はただ指を送りあっている状態になっていた。
やがて奥さんの指もつき死んでしまうと、主人公一人になった。そんな中、犯人から電話がかかってくる。
電話の向こうで獣のような荒い息で何かうなっている犯人。
主人公は自分の方にまだ「正気が残っている」ということに優越感を抱きながら、笑って言った。

「さあ、今度は 俺の小指を切り落とすからな……」

 

傾いた世界―自選ドタバタ傑作集〈2〉 新潮文庫)
傾いた世界―自選ドタバタ傑作集〈2〉 (新潮文庫)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...