花の道行(河村恵利)

123 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/12(水) 19:23:23
昔読んだ歴史漫画。史実と伝説が元らしい。タイトル忘れた。

戦国時代、芋をお城に運んでいた姉妹が、通りががった侍達に落ちた芋を拾ってもらったのが縁で、
姉の小百合が実はその城の殿様、佐々成政の側室になる。
身分が低いことで蔑まれ、寵愛が深いことで妬まれて、花が萎れるように元気がなくなる小百合に
成政が城に連れてきたことを詫びると、
「城を出たら殿に会えなくなります。側に置いてください」とか言われたりして
前半は障害を乗り越えて愛し合う二人が描かれている。
芋を拾った侍の一人、金一郎との密通の噂が耳に入ったり、
里帰りの護衛を金一郎に頼んでいることを怪しんだりしながらも、
小百合への愛情から疑いはすぐに打ち消される。

後半、本能寺の変で成政の主君だった織田信長が亡くなり、
家康・信雄と組んで秀吉と戦うも、家康が秀吉と和睦してしまう。
成政は家康に真意を聞く為に冬山を越えて家康の元に行き説得したが、
「信雄様が秀吉と和解してしまった。主君が戦を止めたから戦う理由がない。今戦ったら我らが反逆者になる」
と言われ何も得ることなく失意の中、再び冬山を越え、何人もの凍死者を出しながらなんとか帰り着く。
出迎えない小百合を不審に思い部屋に向かうと、小百合と金一郎が薬を作りながら
「殿より先にこの薬の効用を試したとバレたら怒られるかな」
「恋しい方を思う心に身分は関係ありませんわ」
とか仲良く会話しているのを見てしまい、怒りのあまり金一郎を殺害。
「お前の口から出る言葉を聞くとそれが真実だと思ってしまうから何も聞かない」と
話も聞かずに小百合も殺してしまう。

その後、小百合の父親が小百合の妹の自殺と、妹と金一郎が相愛の仲だったことを知らせに来る。
芋を拾った時に妹と金一郎も出会い、小百合が城に上がったのが切欠で再会し恋に落ちて、
既に互いの家族も認めた仲で、小百合と金一郎は義姉弟になるから仲が良かっただけだった。
成政は無実の小百合と金一郎を殺し、小百合の妹を自殺に追い込んでしまった、と言うオチ。

最初は普通に愛し合う様子が描かれてた落差もあって、誤解で小百合を殺してしまう終わりが後味悪かった。


143 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/13(木) 10:45:01
>>123
それぞれの登場人物の愛情が裏目に出ててやるせないな
愛する妻や身近な人間を自分の誤解のせいで失った上に
負け戦で行く末が見えてる殿の今後を想像すると激しく鬱…
正統派の後味の悪さだね

 

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