虐待―沈黙を破った母親たち(保坂渉)

337 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/19(木) 04:14:50
虐待―沈黙を破った母親たち―保坂渉

虐待をしてしまった母親たちの心境や生い立ち、境遇を
インタビューや取材を元に書いたノンフィクションの本
その全てがいかに自分が母親に愛されなかったか、
不幸に育った人間か、夫に愛されなかったか、の言い訳ばかり
よくもまぁいたいけな子供達を長年に渡り激しい暴力でいためつけ、
果ては死に追いやりながらこんなにも自分中心な語り口で語れるもんだと思った

そんでもってそんな過去や境遇が裁判で認められ、執行猶予付き、
つまり事実上無罪という形で許されてしまうこの日本の法律にも(この本の中の事例であった)、
なんとも言えない後味の悪さを感じた

世間一般で言う異常殺人犯だって、流石に自分の腹を痛めて産み、寝食を共にし、
抵抗もできない命を、何年もにわたり暴力で痛め付け殺すなんていうことは、
恐らく虐待で子供を殺す母親たちより遥かに少ないだろうし、私から見ればそんな母親たちの方が異常殺人犯だと思った


338 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/19(木) 04:29:17
自分の主観ばかりで申し訳ないが、今のこの女性ばかりが優遇される日本はおかしいと思う
例えばDV。もしDVの加害者側にたったこのような本が出たり、
あるいは自分がいかに不幸に育ったアピールをすることで、無罪を勝ち取ったりすることは絶対に許されないと思う
女性が弱者に暴力を振るった場合も被害者面、
女性が男性に暴力を降るわられた場合も被害者(まぁこれは被害者だけれども)
おかしすぎてヘドが出ますね

これだけではなんなので母親たちのエピソードを一つ

第三章「いい子」役に疲れて
二歳にも満たない我が子に布団を被せ上から狂ったように殴り続ける等の虐待をしてしまった母親の話

この母親(以下A)は父母兄弟の敬虔なキリスト教徒の家庭に育つ。
幼い頃から人の役に立ちようにと厳しくしつけられる
そんな父母の期待に答えたく出来の良い娘になることを胸に誓う。
出来の悪い兄弟に比べ、勉強に励み有名中学を受験するも落ちる。


339 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/19(木) 04:42:19
勉強しか取り柄がなく猛勉強して受験に励むも落ちてしまったことに、
非常に自己否定感を感じるが、父母は抱きしめたり(アメリカかw)
悩み事を聞いてくれるような愛情をくれるわけでもなく、常に愛情不足の寂しい思いをする
それでも父母に愛されたくて高校は有名進学校に見事合格。
しかしそこで自分の中での目的が達成されてしまったため勉強する意欲がわかず
成績は最下位の方になってしまう(要は勉強がついていけなかっただけ)
そこからは学校にも行かず、家にひきこもり、尾崎豊の歌を聴いては死ぬことばかり考えていた((笑))
学校をサボっていたのを親に見つかりやみくもに怒られる(当然)愛情が無いと感じる
ギリギリの成績で高校を卒業出来たが進路は有名大学では無く、
親が兼ねてから言っていた人の役に立つ仕事につくため、福祉系の専門学校へ行くが、
幼稚園での実習中に、学生の見本にならねばという強い強迫観念に襲われ、
実習中にもかかわらず全てを投げ出し、所持金3000円のまま高原での住み込みアルバイトに逃げ出す

340 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/19(木) 04:51:06
高原でのアルバイト期間中に親が心配してる&もし親が探しに来たりしたら
お世話になってる住み込み先に迷惑がかかると思い親に連絡する(意味が良く分からない)
親に約束した契約期間は守れと言われ契約を終えた後、実家に戻る
しかし実家から離れたい、それを正当化するために四年制大学を受験し福祉科に進む(全く意味がわからない)
そこでボランティア活動に打ち込みそこで出会ったボランティア仲間と意気投合し、結婚→出産
しかしその夫は働いてくれず自分が家族を養うために働く
疲れと自分を顧みてくれない夫にストレスを感じその捌け口に子供に暴力を振るう
暴力は夫の目の前でやったのに止めてくれなかった→愛情がない
自分が愛されなかったのに自分の子供が愛されるのが許されない
そんな理由から暴力がエスカレート→殺してしまうと思って乳児院に預ける
こんなエピソードでした。

341 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/19(木) 08:02:26
>>337-340
乙。かなり後味悪かった
悪いことをしたのはこんなに辛い過去があったからなんです、可哀想でしょ?
みたいなこと言うやついるけどさ、犯したことが帳消しになる訳じゃないのにな
そんなこと言ったら宅間守だって結構辛い家庭環境で育った訳で……

345 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/19(木) 11:29:40
>>337-340
自分が「愛されている」と感じることに無縁の生活だったら、気持ちもわかるんじゃね?
愛情を欲するのは本能だろうし、「愛されてる」と感じられるならもうちょっとマシに育ったろう。

自分は、本の内容は「晒しage」みたいにしか思えないけどな。
これだけ歪んでる人も居るんですよ、という警鐘のような。
罪を帳消しに、ではなくて、そういう存在が居るってのを「知る」のも大事だと思うよ。

あと、以下の部分。
>高原でのアルバイト期間中に親が心配してる&もし親が探しに来たりしたら
>お世話になってる住み込み先に迷惑がかかると思い親に連絡する(意味が良く分からない)
親に心配してほしかっただけでしょ。わかりやすい「愛情」を欲してたと。
あっちからのアクションを待てずに、自分から粉を掛けてみたら、肩透かしを食らった、と。

女性がある程度優遇されるのは、社会を形成していく上で、子供っていう存在が
どうしても必要だから、な気がする。母性の育成もまともにできない世の中でも、
実際に子供を産めるのは女性しか居ないしね。

同情してやってほしい、とまでは思わないけれど、ただひたすら見下すだけの内容の、
>>337-340のカッコ書き注釈も、自分としては後味悪い気がするわ
自分が幸せに、マトモに、歪まず育ったなら、それでいいんじゃね。


350 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/19(木) 12:40:41
ざっと読んでみた。
>>337-340の頭の悪さが非常に後味が悪かった。

もともと、日本の裁判では(海外もだが)加害者の生い立ちはそれなりに出てくる。
それはどんな事件でも同じ。
ただの窃盗事件でも「被害者は幼い頃から親の暴力を受け云々」と生活歴を弁護士は出してきて
情状酌量の余地があることを訴える。
そしてよっぽど酷い事件ではない限り、また、再犯を繰り返していない限り、それが考慮される。

これは当たり前だが「男女関係なく」だ。

このなかから「女性の犯罪」だけを切り取り、さらに「子供を虐待した」母親だけそ抜き取り
その人のなかから「家庭に問題のあった人」だけで成り立ってる本を読んで
それだけで「日本の女は優遇されている」なんて言うのは、それこそ馬鹿の典型。

「男性の犯罪者」だけを切り取り、さらに「幼女をレイプした」中年男性だけを抜き取り
その中から「家庭に問題のあった人」だけで一冊本をつくったとしたら
それだけで「日本の男は優遇されている」ことになると思うかどうか、考えてみれば良い。

 

虐待―沈黙を破った母親たち (岩波現代文庫)
虐待―沈黙を破った母親たち
(岩波現代文庫)