絶望へのカウントダウン(関よしみ)
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99 名前:本当にあった怖い名無し :2009/04/12(日) 22:57:43
- 開き直った後の平静に戻った瞬間が一番キツイよねという話といえば、
タイトル忘れたけど関よしみの少女漫画主人公の少女は、優しい女友達や明るい男友達と共に楽しい学校生活を送っている。
しかし、両親の仲は冷めきっていたし、兄は原因不明の不登校で家庭は上手く行ってなかった。
その日の朝早くに、どこか海外のものだと思われる飛行機が墜落したことが学校では話題になっていた。
現場を見に行ったという男友達は、機体の破損っぷりなどを興奮しながら語っていた。
空路があるわけでもないのに不思議な話だ、ニュースでもやらないかと、給食の時間に先生がテレビをつけた。
予想通り、国籍不明の飛行機の墜落のことが報じられている。
論じ合うキャスターのうち、一人の態度が不審だった。
そのキャスターはいきなりマイクに向かって叫んだ。
飛行機はとある武装組織の所有するもので、輸送途中の荷物は新種のウイルス兵器だ、
言論統制が敷かれているが黙っていられない、政府は街を包囲して感染者ごと隔離する気だ、
そうキャスターがいったところでニュースはぷっつりと途絶えて別の内容に切り替わってしまった。
ざわめく生徒たち。窓に駆け寄ってみれば、街の外れの方まで車の渋滞が続いていた。
ニュースで流される以前から街の閉鎖がはじまっており、
無駄であるにも関わらず人々が逃げようと殺到していたのだった。発狂したクラスメートらは暴れ、主人公は犯されそうになるが逃げ出し、
女友達と共に職員室に逃げ込むがそこでも先生に襲われる。
襲われている主人公を見捨てて逃げていく女友達。
しかしなんとか男友達に救われ、二人は手を取り合って校外へ逃げた。
多くの悲鳴が聞こえる中、女友達の声も聞こえた。
逃げた後にまた襲われたのかもしれなかったが、怖くて主人公は振り向けた。
逃げる中で、男友達は突如全身がただれて死んでしまった。飛行機の間近に行ったため発症が早かったのだ。
彷徨う中で他にも多くの人が死んでいるのを見て、自分ももうすぐこうなるのかと思いながら帰宅する主人公。
扉を開けると、玄関で母がよそのおじさんとセクロス中だった。
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100 名前:本当にあった怖い名無し :2009/04/12(日) 22:59:37
- そこに、出張に行ってたはずの父が帰ってきておじさんをボコボコにして追い返した。
ものすごい修羅場におびえて家からも逃げ出す主人公。行く先々で襲われそうになるがなんとか逃げ切る。
しばらくすると、街は死体だらけで、盛んだった悲鳴も聞こえてこなくなった。
まだ健康な人たちも道端にうずくまって鬱々としている様子だった。
主人公は女友達と再開する。ボロボロの服を着た彼女はすっかりやさぐれた様子だった。
「ざまあみろって思ってるんでしょ 私が先にあんたを見捨てたんだから」
「そんなことない、ごめんね、私怖くて逃げ出してしまった」
「いいよ、私だって怖かったんだ 主人公は悪くないよ」
こんな感じで泣きながら仲直りする二人。と、そこに主人公の兄が通りかかる。
実は兄は学校でいじめられており、それが原因で不登校になったのだという。
混乱に紛れていじめっ子を殺しに行ったが、結局返り討ちにされて逃げてきたという。
「俺がとびかかったら、あいつ死にたくないって泣きながら言ったんだ
あんなに怖かった相手だけど、俺と同じなんだって思えた 俺、あいつをもう許せるよ」
兄は傷だらけだったが、今までのように陰気な雰囲気はなく晴れ晴れとした様子だった。街中いたるところでそんな風景が見られた。
激しい争いが通り過ぎた後に、死を間近にした皆は互いを許し合えるようになったのだ。
女友達を連れて兄と共に家に帰ると、両親がセクロスしていた。
なんだかんだで仲直りできたらしい。父は、家族が心配で危険を冒して無理矢理街に帰って来たのだという。
両親は裸のままで外に出る。もうすぐみんな死んでしまうんだ、すべてをさらけだして素直になろうと言う。
主人公も恥ずかしがりながらも服を脱ぎ、しばらくすると慣れ、すべてに解き放たれたような気分を感じた。
他の人々もそれに倣い、街中皆が全裸になっていく。
服、札束や教科書、家、日頃自分たちをがんじがらめにするものたちを次々に燃やしていく。
それはまるで祭のようで、街の人々は終焉に向かっていくとは思えないような穏やかな笑顔で時を送った。そこへ、何台ものヘリコプターが飛んできた。
「みなさん、ワクチンがつくられました!もう助かります!封鎖も解かれます!」
人々はその声のする方を見上げながら呆然とした。