理由

409 名前:本当にあった怖い名無し :2009/06/23(火) 09:02:41
昔見た映画。
老齢の弁護士。亡き妻も弁護士だったが、その妻がかつて担当し有罪にした
幼女強姦殺人の犯人が主人公に冤罪を訴えてくる。刑務所に会いに行くと
「犯人」の黒人は真面目そうな感じで、淡々と当時の話、
そして刑務所内で「あの事件はオレがやった」と言う男に会った話、
うまいことおだてて、当時未発見だった凶器の投棄場所を聞き出したこと、を告げる。
主人公は悩んだ末、妻が侵したかも知れない冤罪を自分で晴らし、
この事件を最後に弁護士から引退しようと決意。当時の事件を調べ始める。
主人公の調査を妨害するのは、田舎町の刑事。当時彼を逮捕した刑事当人。
典型的なオールドアメリカンな白人刑事で、
平然と黒人差別を口にするしロクな証拠もないのに彼を逮捕した。
その理由は「俺がそう思った」「刑事のカンだ」「あいつはいつかやると思っていた」

刑事の脅しや妨害にも屈さず再審を起こし、見事無罪を勝ち取る主人公。
愛する妻の過ちをそれでも正した正義の弁護士、としてマスコミの寵児。
裁判所の前で凶暴な顔で立っていた白人刑事に「後悔するぞ」と脅されるが
冤罪逮捕した極悪人!と刑事がマスコミに取り囲まれる間に脱出。
家で一人しみじみと妻の写真に語りかけ「これでよかったんだよな」と呟く主人公。
その夜、寝ていた主人公は強盗の襲撃を受ける。
刃物で切りつけられながらも、なんとか部屋の灯りをつけると、
そこにいたのは自分が無罪にしたあの黒人青年。
「おまえを騙して無罪にさせてやったのが、てめえの女房にぶち込まれた復讐だよ!!」
「君は無実だったんじゃ…」
「あーはははは、バーーカ!俺がやったに決まってるだろ!ありがとうよ!死にな!」

もうダメ殺される、ってところで銃声がして、黒人青年は例の白人刑事に射殺された。
「こいつの行動を見張っていた。俺はこいつがこういう奴なのはよく知ってたんだ」

結局主人公は見事に騙されてこれまでの地位を棒に振ったし、
いかにもなムカつく偏見だらけの白人刑事が、実際はずっと正しいことを言ってた…
みたいな、清々しいとは真逆のエンドで後味悪すぎた。

 

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理由 (上) (講談社文庫)(全2巻)(原作)
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