ホーム » 小説 » 児童文学・絵本・昔話 » 奇異雑談集/巻一「古堂の天井に女を磔にかけをく事」

51 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/18(火) 06:30:55
江戸時代の『奇異雑談集』という本にある「古堂の天井に女を磔にかけをく事」。

私(旅の僧侶)は荒れ果てた古いお堂の軒に泊まりました。
すると、夜更けに灯りを掲げた男たちの行列がやって来てお堂の階段を登り、
天井裏あたりから鞭打つ音や女の悲鳴が聞こえてきます。
男たちが去った後で見に行くと、酷い折檻を受けた女が磔けられ、男の生首が一つ転がっていました。
「助けてください! 夫は嫉妬深く、私に姦通の濡れ衣を着せてこんな仕打ちを…!」
声も絶え絶えに懇願する女を私はほどき、女の案内で隣村の彼女の実家へ連れて行きました。
実家では夫から女は死んだと告げられ、初七日の供養を用意していましたが、
娘が生きていたと知り親は喜んで看病し、私も丁重なもてなしを受けました。
私の出発の日、二、三日も休養して服装や化粧を整え出てきた女は、すっかり美しい姿になっていました。
「どうぞこれをお持ちください」と小籠を差し出します。旅の身なので荷物になるからと辞退しましたが、
「邪魔なら途中で捨ててもいいですから是非に」と言うので、気が進まないながら受け取りました。
しばらく歩いたところで、やはりどうにも重くてたまらないので、中身を確認して処分しようと
小籠を開くと、何重にも厳重に包まれた腐りかけの生首でした。私は恐ろしくなって谷底へ投げ捨てました。
あの女は一体どういうつもりでしょう。あんな状況でどうやって生首を持ち帰ったのでしょうか。
こんなに相手の男の首に執着するなど、やはりあの女は姦通をしていたに違いないと思いました。
しかし、女の言い分を嘘だと断じて怒るならば、私が信じて罰から助けたことも悪事の片棒担ぎだったと
いう事になってしまいます。いやはや、何ともやりきれない事でございます…。

本当に、読んでるこっちも「女は一体どういうつもりなのでしょう」だった。
(荒れ寺に放置しておくよりも、供養のつもりで、ダメ元で僧侶に持って行ってもらおうとしたのか??)
舌切り雀じゃないけど、何か恩返しとして財宝とか功徳のあるスーパーアイテムでも
授けてくれたのかと思ったら、なんつードンデン返しオチ…。


54 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/18(火) 09:40:14
>>51
>「女は一体どういうつもりなのでしょう」

警察や遺族に犯行声明文とか遺品を送りつける犯人と同じ気分じゃないかな。
事がバレたら困るのに、自分の不利になりかねないのに、
自分のやった事を見せびらかしたくてたまらないような。

 

江戸怪談集〈上〉 (岩波文庫)
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