呪いのシリーズ(曽祢まさこ)

157 名前:1/2 :2009/10/08(木) 21:43:48
呪術師カイシリーズ 曽根まさこ

呪術師カイは、10年の寿命とともに依頼人が殺したい相手を呪殺する。
助手のフランス人形は、しゃべったり動いたり魔法を使ったりすることが出来る。

中年女性がカイに呪殺を依頼しにやってきた。彼女が殺して欲しいのは、小学生の養女だった。
ここ何年か夫の事業が思わしくなく、最近では倒産の危険まで出てきた。
養女は親をなくした親戚の子を引き取ったのだが、なつきもしない可愛げのない子だ。
多額の保険金をかけたから、殺して欲しい。
カイは依頼を請けた。

カイは助手の人形に黒いドレスを着させて、養女のところに行かせた。
人形は養女に「私は死神の使いなの。あなたはもうすぐ死ぬけど、何か希望の死に方はある?」
と訊いた。
養女は「飛行機事故がいい。飛行機事故で死ぬと、お金が一杯もらえるみたいだから。
おばさん、ずっと新しい服買ってないの」と言った。
人形は「飛行機事故は無理だけど、お金がたくさんもらえるような死に方にするね」と約束した。
養女は「わたし、死ぬ前にどうしてもやりたいことがあるの。だから、死ぬのは少しだけ待ってもらえる?」と頼んだ。
人形は快諾した。

だが翌日も、その翌日も養女は「やりたいこと」が出来なかった。
様子を見に来た人形に、養女は「勇気が出せなくて……」とうつむいた。
人形は「勇気が出るおまじないよ」と言って、養女の頬にキスをした。


158 名前:2/2 :2009/10/08(木) 21:44:59
翌朝。
養女は中年女性を見てごくりと息を飲み、勇気を出して言った。
「行ってきます、『お母さん』!」
中年女性ははっとして振り返ったが、養女は中年女性の同様に気付かず、そのまま家を出て行った。

やった! やっと言えた! と喜ぶ養女の頭の中に、人形の声が響いた。
「こっちよ。こっちにいらっしゃい」
養女は声の呼ぶ方へ歩いていった。
建築現場の横を通ったとき、養女の上に建築資材がなだれ落ちてきた。

中年女性宅では、中年女性の夫が支払われた多額の保険金と賠償金を見て、大喜びしていた。
小学生の子供が死んだというのに、手放しで喜ぶ夫の姿を見て、中年女性の胸の中に
どす黒いものが湧いてきた。
(あの子は私のことを「お母さん」と呼んでくれた。あの子を殺させたのは、私なのに!
 そういえばあの子は家のことを一生懸命手伝い、わたしを気遣ってくれる子だった。
 こんな男のために、あんないい子を殺してしまった……)

中年女性は発作的に包丁を取り、夫をメッタ刺しにして殺した。


159 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/08(木) 23:08:27
いやお前が死ねよって話ですよ

160 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/08(木) 23:16:18
懐かしいなカイシリーズ
あれは結構後味悪いというか、お前が死ねよな依頼人が多かった

163 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/09(金) 00:20:47
>>159
>>158が略しすぎ
中年女性も自殺してる。(未遂になったけど)

 

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