冠を持つ神の手

946 名前:本当にあった怖い名無し :2010/02/10(水) 19:42:14
「冠を持つ神の手」というフリーゲーム

双子の兄妹は孤児で、物心つくころには孤児院で育った。
その孤児院は宗教関係者が経営しており、
子供たちは聖書を読んだりして、その手の教養を与えられながら育つ。
兄は大人しくて進んで聖書を読み神に祈りをささげる敬虔な子供だった。
妹はそういった事を嫌い、自分を捨てていったという親を恋しがり、現状を嫌がり神を信じなかった。
聖書を読むどころか、勉強を拒否する妹はろくに読み書きもできなかった。
業を煮やした育ての親たちは、ある紙片を彼女に見せた。
それは、双子が捨てられた時に共に置かれていたという手紙だった。
妹にはその手紙の文面が読めなかったし、育ての親たちも音読してはくれなかった。
恋焦がれる親の手紙が読みたいのなら、勉強をしなさいというわけだった。

妹は手紙を読みたくて勉強をがんばり、やがて手紙を渡してもらえた。
そこには、拙く汚い文字でこう書かれていた。
「ふたりめひかかってつまはしんだから、ふたりはむりで、おねがいします」
妹は、自分が母を殺して生まれてきたこと、そのために捨てられたことを知ったのだった。
(文面が示されるのみで、詳しい解説はないが多分そういう意味)

妹はそのことを語って手紙を渡した相手(プレイヤーキャラ)に対して、
「捨てるなり燃やすなり好きにしてくれ。私には出来そうにないから」
というのもまた後味が悪かった。
こんな内容でも実の親の手紙だから自分でどうこうはできなかったんだなと。


951 名前:本当にあった怖い名無し :2010/02/11(木) 17:48:23
>>946
育ての親たち鬼畜すぎる

953 名前:本当にあった怖い名無し :2010/02/12(金) 13:44:33
>>946のゲームの双子妹のルージョンの殺害エンドが切なかった。

ルージョンは>>946のしばらく後に、孤児院を一人で脱走してしまう。
この世界では、人間は無性別で生まれて15歳で成人後に男女に分かれるが、この時点ではまだ無性別。
そんな彼女を拾ったのは、人知れず山奥に暮らしている魔術師の老婆だった。
(この世界では魔術師は忌み嫌われている)
老婆はよぼよぼだが強い魔力を有しており、ルージョンを大切に育ててくれた。
ルージョンは老婆を実の祖母のように慕い、魔術師としての修行をつけてもらった。
老婆の家には老婆の息子も住んでおり、既に成人している彼は魔術の上ではルージョンの兄弟子だった。

兄弟子はある魔術書を切り取った紙の切れ端を持っていた。
その切れ端に記されている魔術をどうしても知りたいルージョンは、
兄弟子に提示された交換条件を飲んだ。それは、切れ端をもらう代わりに彼に抱かれることだった。
しかし、寸前で老婆に見つかり、老婆によって勘当された兄弟子は切れ端を持ったまま家を出た。
ルージョンは元々は成人後は男になるつもりだったが、兄弟子とトラウマから自然と女になった。
(性分化前のその手の行為はけっこう無茶をしないと出来ないらしい)

どうしても切れ端を得たいルージョンは、消えた兄弟子を探すようになった。
その中で主人公に出会ったルージョンは、今度は自分が師匠となって主人公に魔術を教えてあげたりした。
そうしてかなり魔術の腕が上がった主人公は、
現れた兄弟子からルージョンの求めていた切れ端を奪うことに成功した。

主人公とルージョンは仲良くなっており、秘されている老婆の家にも出入りさせてもらえるほどだった。
老婆は死が近いものになっていて、ルージョンはその看病を献身的に行っていた。
ある時主人公が家を訪れると、徹夜で老婆を看て疲れ切ったルージョンが、床ですっかり熟睡しているのが見えた。
ベッドに伏しながら老婆は、こんなに綺麗で若い子が森に隠れて暮らし続けるのは可哀相だ、
この子は自分に執着しているが、主人公にも心を開いているから自分が亡くなった後はこの子を頼むと言った。


954 名前:本当にあった怖い名無し :2010/02/12(金) 13:46:50
魔術師がなんの見返りも求めずに子供を拾うはずがなく、
老婆は元々はルージョンを魔術に利用するために拾った。
しかし、今ではルージョンのことを実子のように思っていた。

老婆の体調がどんどん悪くなっていったある日、主人公が家を訪れると、ルージョンが泣きじゃくっていた。
老婆はもう呼びかけても返事すらできず、今まさに死んでしまいそうな状況だったからだった。
兄弟子が奪っていった切れ端さえあれば、そう途切れ途切れに泣きながらルージョンは言う。
主人公は、持っていた切れ端をやっとルージョンに渡した。
ルージョンは一転して喜び、その切れ端を魔術書とはりあわせ、これで老婆を助けられると意気込んだ。
今日は色々とやることがあるから帰ってほしいとルージョンに言われるままに帰って行こうとする主人公に、
ルージョンはありがとう、さよならと言った。

後日、主人公が老婆の家を訪ねると、そこにルージョンの姿はなかった。
ルージョンはもうここにはいないし、二度と会えないとも老婆は言う。
そう言う老婆は、死にかけていたとは思えないほど健康的になり、
以前は引きずっていた足も治ったようで普通に歩いていた。しかし表情は今までになく暗かった。
「馬鹿な子だったよ。まともに計算もできやしない。こんな婆の僅か数年と、
 あの子の数十年が、どうしたら引き換えになると思うんだい」
主人公はもう二度とルージョンと会えなかった。

具体的には書かれないものの、ルージョンが知りたがっていた魔術は、
他者の命と引き換えに命を延ばす術で、主人公がそれの後押しをしてしまったから、
主人公がルージョンを殺したことになる→殺害エンドということらしい。
老婆は元々はその術に使う生贄にするためにルージョンを拾ったが、
ルージョンに情がわいたから術を諦めていたらしい。
老婆もルージョンも主人公も、みんな好意で動いた結果がこれだから後味が悪かった。


35 名前:本当にあった怖い名無し :2010/02/16(火) 21:01:49
前スレでかもかてのルージョンエピソードが出てたが
ルージョンをレイプしかけたおっさんが、当初は
「なんだよこのおっさんむかつく」「どうしておっさんに復讐するルートがないんだ」と
プレイヤーたちの怒りの的でよく叩かれていたのに、
製作者が、本編で姿のないキャラたちを描くシリーズでそのおっさんを描いて公開した途端、
おっさんが意外とイケメンだからって手のひら返したように
「イケメンおっさんを攻略対象にしてくれ」と絶賛レスがつきまくっていて後味悪かった。
少し前に現実でも、市橋容疑者を顔だけ見てもてはやす奴がいたが、
二次元でも三次元でも犯罪者を顔で擁護する奴とか最悪

36 名前:本当にあった怖い名無し :2010/02/16(火) 22:25:43
※ただしイケメンに限る
というやつか、自然の摂理だな