悪魔の薔薇(タニス・リー)
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709 名前:本当にあった怖い名無し :2010/03/25(木) 23:46:57
- タニス・リーの短編『悪魔の薔薇』
19世紀末くらいか。
ある先を急ぐ旅の途中、雪で鉄道が止まったために寒村で足止めを食った『私』の語りで進む話。その村には、「悪魔が見目麗しい男性の形でやってきて、
恋に恋する領主の娘をたぶらかし、攫っていってしまった」伝説がある。
探し回った結果、処女だったその娘の『皮』のみが地上には残されたらしい。
私が退屈に紛れてその寒村の深夜の教会を訪ねたところ、美しい16歳の娘が立っていた。
彼女に声をかけ、怪しまれないように言い訳をし、家へと送ることを承諾させる。彼女は恋に恋しつつ、死にかけたような高齢の伯母と共に暮らしている娘であった。
彼女は私をあの伝説の悪魔かもと思っているらしい。「夢に出てくる」と彼女は言う。
私は伯母に取り入り、翌日の晩餐会に招かれ、その客(伯母同様の年寄りたち)にも気に入られる。娘と密約を交わし、隠れて建物の中に残り、彼女の部屋に忍び入り、思いを遂げる。彼女は痛みを受け容れる。
「明日もまた会えるんでしょう?」と言う彼女にもちろんと答える私。私は、翌日動き出した列車で無事目的地へと向かった。
そこでは、医者が二人がかりで面倒を見てくれることになっていた。「決して楽観はできませんぞ。治療法というものは存在せんのだから。
なにしろ、相手の女性は、原因もわからぬままに体が変形したり、廃人になったり、
死ぬことだってありうるんですからな。あなたと関わったばっかりに」『私は梅毒だった。この病の一症状、硬性下疳は私にこの病を移した街娼の間では『悪魔の薔薇』と呼ばれている。
あの娘は気がふれて死んだそうです。おそらくあの娘は、そんな病があるなどとは聞いたこともなかったんでしょうね』最後に、私が性病を承知しつつ、処女に一夜の性交で移したことが明かされる。
わざとだと思うが、最後までは耽美的な小説形態なだけに、作者の思う壺でむかついた。
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710 名前:本当にあった怖い名無し :2010/03/26(金) 00:20:11
- 殺人じゃないかそれ・・・主人公最悪すぎる