銃夢(木城ゆきと)

178 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 17:56:40
昔読んだ漫画『銃夢』うろ覚え
主人公が幸せになると不幸がやってくる

主人公は記憶喪失(精神年齢10代くらい。実年齢不明)で脳だけ生身のサイボーグ少女
謎に包まれた天空都市に管理されている薄汚れたクズ鉄の都市で、
記憶を失ってからの育ての親である医者のイドと共に暮らし、賞金稼ぎを生業としていた
ある日、全身が生身の少年と出会う。少年と主人公は互いに惹かれあって、いい感じの雰囲気になる。
主人公にとっては初恋であった

街には天空都市が定めた「一定の高さまで飛んではいけない。飛行する物を作ってはいけない」みたいな規定があって、
少年の兄はこの規定に違反して天空都市に行こうとした為に殺されていて、少年には天空都市へ行くという夢があった
少年は街の商売を裏で取り仕切っているブローカーの「大金を稼げば天空都市へ行ける」という言葉を信じて働いていた
少年の夢に共感した主人公は、少年の夢のために自分も資金を稼ぐようになる
ブローカーは少年の実力を見込んでおり
「稼げる見込みの無い大金を稼ぎ続けるより、天空都市は諦めて俺の後継者になれ」と勧めるが、少年は頑なにそれを拒む
その後、生きたサイボーグの背骨(生体パーツとして使用されている)を引き抜いて盗む「脊椎泥棒」が出没する。
主人公は少年の夢の資金集めのためにも脊椎泥棒を捕まえようとする

主人公が調べた結果、脊椎泥棒の正体は少年であり、少年が真面目に働いても稼げない大金を手にするためには
犯罪を犯すしかなかった(たしか脊椎泥棒をするよう促したのはブローカーだった気がする)
主人公は少年を説得して犯罪を辞めさせようとするのだが、少年ははからずも人を殺してしまっている上、
もう少しで予定の資金を稼げるために説得に応じず、逃げ出してその後も脊椎泥棒を続けた
しかし、脊椎泥棒は街中の賞金稼ぎから狙われており、少年とその仲間は嫌味な賞金稼ぎ(主人公と因縁がある)の
囮捜査に引っかかってしまい、少年の仲間は殺され、少年自身も殺されかける
雨の中少年は隠れ家へ逃げ込むが、すぐに別の賞金稼ぎ(少年の兄を殺した男)に見つかって致命傷を負わされる
瀕死の少年を見付けた主人公は少年の首を切断し、自分の体の生命維持装置に少年の首を繋げて逃走する


179 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 17:57:33
逃走の最中、嫌味な賞金稼ぎに見付かってしまい、犯罪者を助けようとした罪を不問にする代わりに
少年の首を差し出すよう要求されるが、主人公はザパン(嫌味な賞金稼ぎ)の顔面を削ぎ落として逃げる
その後ザパンは建物から落下し行方不明になる
医者であるイドの所へ少年の首を持って行き、少年は体をサイボーグ化することで一命を取りとめる
眠っている少年をしりめに、主人公から少年の経緯を聞いたイドは、自分が昔は天空都市の住人だったことを明かし、
「いくら金を稼ごうが天空都市へは行けない」と言う
実はすでに目を覚ましていたが放心していた少年は、その話しを聞いて病院を飛び出してしまう
少年はこれまで稼いだ全ての金をブローカーの所へ持って行き、天空都市へ連れて行くように要求するのだが、
ブローカーはその話が嘘であったことを明かす。大金をふっかければ少年が夢を諦めると思っていたのだ

全てに絶望した少年は、天空都市と地上を繋ぐ太いケーブル(数メートルの太さ)をよじ登ろうとする
主人公が駆けつけた頃には、少年は既に地上から数百メートル離れた所まで登っていた
ケーブルには一定の距離を登るごとに発動するトラップが仕掛けられており、少年の体はボロボロで半壊しかけていた
主人公もケーブルを登り、少年に夢を諦めるように必死に説得する
ようやく少年が夢を諦めて主人公の差し出す手を掴もうとした時、発動したトラップによって二人とも弾き飛ばされる
主人公は体を損傷し、少年の体は半壊する。主人公が少年の手を掴んだ状態で宙吊りになる
懸命に少年を助けようとする主人公だったが、少年は微笑みながら「さよなら」と言い、腕が千切れて落下する
その後、ケーブルの上に一人しゃがみこんだ主人公が少年の腕を抱きしめながら「さよなら」と言う
終わり

読みにくい長文サーセン。この後の話で嫌味な賞金稼ぎが復讐しにくる話があるんだけど、それがけっこう後味が悪い


181 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 18:05:42
面白いけど、一番後味悪いのはその後の話なのかよ!その後の話を書けよ!

189 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 21:09:58
『銃夢』~ザパン編~
かなりうろ覚え

初恋の少年の死から数年後、色々(モーターボール編)あって過去を吹っ切り、
精神的に成長した主人公。「少女」から「お姉さん」くらいの雰囲気になる
賞金稼ぎをやりながら、行き着けのバーでミュージシャンをやりながら仲間に囲まれて幸せな日々を送っていた

それと前後して、主人公に顔を剥がされた元賞金稼ぎのザパンは、記憶喪失(?)になり
新しい顔(以前は眼つきが悪かったが、温厚そうな顔になっている)になり、
心優しい恋人サラと同姓しながら共に貧民街でボランティア活動を行なっていた
しかし、ある日街頭モニターに主人公の姿が映される(この時主人公は街で一番人気のあるスポーツの選手だった)
それを観たザパンの脳裏に主人公に顔を剥がされた瞬間がフラッシュバックし、恐怖にかられてパニック状態に陥る
サラは咄嗟にザパンを落ち着かせようと駆け寄るのだが、賞金稼ぎとして戦うために
強化されたザパンの機械の体は、サラの生身の肉体をあっさりと砕いてしまう
サラの死によりわれに返ったザパンは、千切れたサラの首を抱え泣きながらその場を後にする
ビンに入れたサラの生首を持ち歩き、主人公への恐怖心を払拭するために
薬物に溺れるようになり、精神を病み、殺人もかさねていく
サラを殺した罪で指名手配されたザパンは、サラの祖父である犬使いの賞金稼ぎと主人公に下水道へと追い詰められ、
犬に食い散らされてバラバラになって下水へ流された


190 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 21:11:51
その後イドは、主人公が初恋の少年を失って失踪した時のいざこざで紛失した
「バーサーカーボディ」という特殊なボディを探していた
バーサーカーボディは大昔の戦争で使われた非常に危険な兵器であり、現在では所有すら禁じられている代物である
(ナノマシンだかバーサーカー細胞だかよく分からんもんが使われている。
 イドは大昔の戦場で兵士の死体からこれを手に入れた)

やっとバーサーカーボディが渡った人物を特定し、その家を訪ねるのだが、
その人物はイドと同じく天空都市の元住人であるマッドサイエンティストの博士であった(この漫画のラスボス的キャラ)
博士の家の中は人体実験によって異様な姿へと化した大量の人間が捕らわれており、
イドは薬を打たれて体の自由を奪われてしまう
博士はイドの目の前でバーサーカーボディを使った実験を行なおうとするのだが、
その実験素材の中にはザパンの脳があった
博士がザパンの脳に問いかけると、ザパンは復讐を望んだ
イドはザパンが犯罪者であることを告げ、必死に実験をやめさせようとするのだが、
博士はザパンの脳とバーサーカーボディを融合させてしまう
ザパンの脳と融合したバーサーカーボディはまるで生物のように急成長し、
周りの機械を飲み込みながら異様な姿へと変貌する
ようやく体が動くようになったイドは、博士から渡された対バーサーカーボディ用の銃弾が入った銃でザパンに挑む


191 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 21:14:32
いつまでたっても帰ってこないイドを心配した主人公は、イドが向かった博士の家へと向かう
そこで目にしたものは、見たこともない様な壊され方をした地面と、頭部までバラバラにされたイドの死体であった
パニックになり博士に対して殺意を抱く主人公であったが、
主人公がザパンを殺すという条件でイドを生き返らせるように博士と取り引きする
その頃ザパンは賞金稼ぎ達が集うバーへ来ており、主人公の行方を尋ねながら手当たりしだいに建物を壊し人を殺した
飛行能力まで得たザパンに対して天空都市も攻撃を開始するのだが、バーサーカーボディの前には通用しなかった
主人公が街外れの博士の家から
街へ帰還する頃には、街は壊滅状態で瓦礫の山と化しており、
街の住人達は主人公を捕らえようと襲い掛かってきた
襲い掛かる住人を軽く撃退した主人公だったが、住人達から非難されてしまう
「ザパンはあんたを狙っている。あんたが犠牲になれば皆は助かる。
 そもそもあんたがこの街に来てから全てがおかしくなった。ザパンだって、あんたが来る前は気の良いやつだった。
 皆上手く仲良くやっていたんだ」
この前まで自分に親切にしてくれていた街の住人達が、今は異端者を見るような目で主人公を睨みつけていた
主人公は自分がザパンの生贄になることを決意する

192 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 21:17:00
怪物と化したザパンと対峙した主人公は
対バーサーカーボディ用の銃弾を打ち込むが、成長したザパンには効果が出なかった
その後の戦闘で主人公は空中で体の半分をザパンに取り込まれるが、
主人公が自ら対バーサーカーボディ用の銃弾の材料を飲み込むことで
ザパンの対バーサーカーボディを内部から破壊することに成功する
高所から落下しながら体が崩壊していくザパンと主人公であったが、その刹那シーンが変わる

ザパンが目を覚ますと、そこはサラと共に暮らしていたテントの中だった
隣で眠っていたサラも目を覚まし、ザパンにどうしたのかと尋ねた
ザパンはボロボロと涙を流しながら呟いた
「恐ろしい夢を見ていた……
まちがって、お前を殺してしまい……
発狂した俺は怪物になってすべてに、復讐しようとする夢だ……
なんの希望もなく……たくさんの人を殺して……恐ろしい……悪夢だった……」
「だいじょうぶ……ただの夢よ
 あなたはそんな事ができる人じゃないもの」
「サラ……俺は不安なんだ
 恐ろしくてたまらない……お前が、いなくなってしったら……
 俺は……どうすればいいんだ……サラ……
 教えてくれ……」
「どんな、つらい事が起きても……それを すなおに受け入れなさい
 だれかのせいにしたりせず……自分自身を良しと受け入れなさい
 あなたが失敗したり負けたと感じた時も……意地をはったりせず すなおにそれを認めてあげなさい
 あなたの価値は勝ち負けとは別にあるという事を私が一番よく知っているわ……」
サラはザパンを抱きしめながらそう言った

サラの名を呼ぶザパンの叫び声で主人公は現実に引き戻された
一瞬見えた光景は、バーサーカーボディによって主人公の脳と結合したザパンの脳の記憶だった
「強さも弱さも 善も悪も! 同じように受け入れろと言うのか!?」
落下する寸前、体に入り込んだバーサーカーボディで背中に羽を作り出して落下の勢いを殺す主人公
「無理だよ…ちっぽけな私の心では…」
主人公はそのまま瓦礫の下に埋もれるが、街が破壊される前に
中のいい少女と一緒に育てていた花が目の前に咲いていて、少女との会話を思い出しながら眠る
ザパン編終わり

駄文長文スマン。ザパンの不幸は主人公の自分勝手のせいのようにも感じられて嫌な気分になった


193 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 21:18:56
イドはいきかえったの?

195 名前:本当にあった怖い名無し :2010/08/14(土) 22:29:08
>>193
生き返るけど

ザパンとの戦闘で脳死寸前まで行った主人公は天空都市に回収されて「命お助けしまひょうか?」言われるんだが、
主人公はもう人生に疲れた様子で生きていく気が無くて「どーでもいいお」状態。
そしたら天空都市側が「お前の知り合いのイドが生き返ってるかもしれへんで」言われて、
主人公はイドに会いたい一心で天空都市と取り引きして、マッドサイエンティストの博士を捕まえる任務につく
任務の最中に立ち寄った田舎町でようやくイドを見付ける。
生きてるなら何故会いにこないのだと怒る主人公だったが、イドは主人公のことを全く覚えていない
町の住人達は主人公を警戒し、イドはこの町に必要であり、
この町で暮らすことがイドにとって幸せだから手出しをするなと主人公に言う
博士は優秀なイドを助手にしたくて生き返らせたが、イドは博士から教えられた
天空都市人の秘密(博士が天空都市から脱走した原因)に絶望し、自らの記憶をあぼーんしていた
新たな土地で多くの人に愛されて暮らしているイドの幸せを阻害することに抵抗を感じた主人公は何も出来ず涙ながらに立ち去る

 

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