マーブル騒動記(井上剛)
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410 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/22(月) 20:47:25
- 小説『マーブル騒動記』
速読しようと思ったけどバイトで疲れてるし飛ばし読みしたから細かい部分は分からんけど割愛してある日、テレビ局のプロデューサーの主人公の家に一頭の牛(以下、太郎)がやって来る
太郎は人間のように高い知能を持っていて、主人公に『君の番組に私を出演させてほしい』と語りかけてきた
太郎の目的は、家畜にされている牛に自由に生きる権利を与えられることだった
太郎はある日突然知能と会話能力を手に入れたらしく、
牛が権利を得るために必要な知識として、主人公の情報も含まれていた
太郎の様に知能を得た「知能牛」は和牛に限って存在しているらしかった
野心家である主人公は自分の出世のために太郎を利用しようと考え、自分の家の車庫で飼い始めた
太郎は主人公が私利私欲で動くことを理解しており、「私も牛という種を守るためだけに行動する」と言った太郎は生放送の番組に出演し、「我々を殺すな」「牛にも権利を与えろ」と1時間以上も演説を行なった
知能牛の存在は日本全国に知れ渡り、全国の畜産農家から「うちにも知能牛がいる」という報告が来たやがて世論は「愛護派」と「蓄農派」に別れて議論を繰り返し、太郎はテレビ番組で蓄農派の政治家を論破し、
最終的に「牛権保護法」という「知能牛を殺してはいけない」法律が作られた
それは「知能牛は人間の保護下(管理下)に置かれること」という条件付だったが、太郎はそれで妥協した太郎の元の持主は太郎の返却を求めており、目的を果たした太郎は
元の持主の下に帰ろうとするが、主人公は息子の喜ぶ顔が見たくて太郎を引き止め続けた
主人公には別居中の妻と七歳の息子がおり、息子は主人公を嫌っていた
息子は太郎に懐いて頻繁に主人公の家に来るようになり、
太郎と接している時の息子の笑顔は主人公にとって唯一の心の支えだった太郎は博識で、冷徹で、悲観も楽観もせず、理論的で、
教師の様に主人公に色々なことを教え、色々なことを語り合って過ごした
つづく
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411 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/22(月) 20:50:42
- つづき
(あ、ちなみに息子は太郎に「太郎がパパだったらいいのに」って言って、それを聞いた主人公は
「俺は思い上がってるだけで、牛の威を借りた狐だ」みたいに落ち込む)しかし、牛権法によって食を失った焼肉店や畜農業者は、
いつしか秘密裏に牛を拉致して闇ルートで売りさばくという行為を始めた
牛権法は当初の予想通り様々な問題を引き起こし、主人公は一部の人間から国賊とみなされて
闇討ちにあい、息子はまた学校で虐められるようになった(この辺り中略ってか、覚えてないってか、かなり読み飛ばした)
ある時から、知能牛達が凶暴化して暴れ出し、
鎮静化すると知能を失って「普通の牛」に戻るという現象が頻繁に起き始めた
知能を失った牛は知能牛ではないため、研究者達は元知能牛の牛を捕まえてあらゆる検査をし、
解剖までしたが知能牛発生の原因は分からなかったやがてこの現象を知った一部の知能牛達は
「人間が狂牛病の様な毒で我々の知能を奪っているのではないか?」と疑い出す
太郎だけは「人間はそんな回りくどいことはしない」と考えていたそして、ついに関東地方の知能牛二十五万頭が一斉に逃げ出して集結し、人間に対して宣戦布告してきた
住民達は避難し、機動隊が牛の群れに応戦したが、
重火器の仕様を禁じられていたため、暴走する王蟲の群れを止めることは出来なかった
怒り狂った王蟲の暴走によって多くの建物が壊され、多数の行方不明者や死者が出た
鎮静化した牛達はやはり知能を失っていた太郎は「知能牛のリーダー」とみなされていたらしく、
官房長官から「知能牛を守りたいなら、知能牛を説得してみせろ」と圧力をかけられる
太郎は仲間達がなぜ決起を起こしたのかを理解できずにいた
つづく。めんどくなってきた
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412 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/22(月) 20:55:31
- つづき。ここから凄くうろ覚え。難しい台詞が多かったから
主人公と共に知能牛が集結している荒川へと向かった太郎は、そこで大声で知能牛達に呼びかけた
「我々の仲間が知能を失ったのは人間とは無関係だ。このまま戦えば無駄死にだ」
そして、知能牛達から返事が返って来た
「我々は、我々が突然知能を失うという未来のビジョンを見た。唐突に与えられた知能は唐突に奪われる。
我々は無駄死には怖くない、ただ、知能がある生命でいられる内に人間に立ち向かって死にたいのだ」牛の群れは進撃を開始した
自衛隊が牛の群れの中へとカール何とかいう物で榴弾を撃ち込み、数匹の牛が火柱で吹き飛んであぼーんした
その後も兵器によって一方的なあぼーんが続けられ、荒川は牛の血で真っ赤に染まったその後、東北や北海道でも同様の知能牛による決起が起ったが、最早主人公達に止める術は無かった
やがて知能牛は太郎一匹になった。太郎は牛が知能を得た現象について
「人間が滅びぬよう、人間と異なる知能によって知能の新たな地平を開拓する、自然が行なった実験だった」
という憶測を語り、
「その実験は失敗だった。我々牛も人間と同じ様に自分達のことしか考えていなかった」と言ったある雨の日、太郎は主人公の家の車庫の扉を突き破って逃げてしまう
主人公が慌てて後を追うと、太郎はヨロヨロと弱弱しい足取りで道路を走っていた
主人公が追い縋ってどうしたのだと尋ねると、太郎は「知性を失うのが怖い」と言った
「君達と触れ合った知性が消えてしまう。知性が消えるということは、私が私でなくなるということだ」
太郎の身体は震えていた雨に濡れた太郎は風邪を引き、主人公は付きっ切りで看病した。息子も太郎を心配してやって来た
太郎は「ここを去る」と息子に言い、息子が「また会えるよね?」と言うと、
太郎は「私の心はいつも君と共にある」と言った主人公と太郎は夜遅くまで語り合い、太郎は何かを言おうとしたが、
睡魔に襲われている主人公を見て「また明日話そう」と言った
翌日、太郎は喋らなくなっていた
太郎の元々の持主がやって来て、トラックの荷台に太郎を乗せて走り去って行き、主人公は子供の様に泣きじゃくった
終うし
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419 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/22(月) 22:10:08
- >>411
>息子はまた学校で虐められるようになったミス。削った時に消えてた
息子は名前のせいで学校で虐められてて、太郎は息子の名前の古い意味が神聖なものだったって教えて
「自分の名前に誇りを持ちなさい」みたいに諭す
泣き虫だった息子は精神的に強くなって、虐めっ子達に自分の名字の意味を訴えかけ続けて理解を得た太郎が風邪ひいた日は主人公の家に泊ってて、翌日の朝には太郎が喋らなくなってるのに
気付かないまま太郎に挨拶して出かけて行った。主人公は息子に太郎の変化を気付かれないようにしていた