二銭銅貨(江戸川乱歩)

76 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/23(月) 01:17:41.90
江戸川乱歩の名作「二銭銅貨」
手元にないので細かい部分は違うかも。

友人でありライバルでもある苦学生のAとB。
世間では高額現金強奪事件が起こっていて、犯人は捕まったが肝心の現金は見つかっておらず
二人はいつも互いにどこに隠されたかを推理し意見を戦わせていた。
ある時Aが休んでいるとBに「いつも行ってるタバコ屋の婆さんって身寄りいるの?」的なことを聞かれる。
Aは「そういや娘がいて監獄に差し入れやってる弁当屋に嫁いだとか言ってたな」と答える。
その日以降Bはやたら何かに思い悩んだり考え込んでは頭を掻き毟る毎日。
彼の手元には何の変哲もない二銭銅貨が常にあった。
そしてしばらく立ってからBが異様に興奮してAに「俺は君より優秀だぜ」と勝利宣言する。
何事かと問うとBはここしばらく手にしていた二銭銅貨を見せる。
するとそれは精巧な合わせの入れ物になっていて中には小さな紙片が入っていた。
そこには「南無阿弥陀仏」が途切れ途切れだったり文字が欠けたりして何行にも渡って書かれている。
それは点字(六つの点の組み合わせ)を置き換えた暗号だとBは気付き
読み解くと大金の場所がかかれていた。
そう、それはまさに現金強奪事件の犯人が監獄の弁当屋を通じて外にいる仲間に送ったメッセージだった。
そして何らかのミスでタバコ屋の娘がとってしまい普通の銅貨とまぎれて
Bの手元へと行き着いたのだろうというのがBの推理。
今から早速この現金がある場所に行こうぜ!と張り切るBに
「いや、それ書いたの俺」とネタバラしするA。
Bの鼻を明かすために精巧な二銭銅貨の入れ物を作ってタバコ屋の娘の話をでっち上げて
Bがそれを解くところまで見越したAによる悪戯だったのだ。
ラストBは愕然となり本気で落ち込んで終了。

ストーリーとしては文句ナシに面白いんだけど、改めて考えると
Aの手の上で踊らされていたBカワイソス(´;ω;`)

 

心理試験 (江戸川乱歩文庫)
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