ねむい(チェーホフ)
まだ十代前半の女の子、
子守兼雑役女中として地主様のお屋敷に奉公している。
赤ん坊はよく泣く元気な子で、
奥様も他の奉公人も赤ん坊が泣くたびに女の子を厳しく責める。
一番下っ端なので、一日中こき使われて
倒れ込むよう ...
如菩薩団(筒井康隆)
品も学もあって上品だけど内実は火の車の主婦たち。
定期的に集まって狙い定めた金持ちのお屋敷を訪れる。
屋敷の奥様は主婦たちの雰囲気や服装から
何らかの婦人団体だと信じて疑わず招き入れる。
しかしその主婦たちこそが今ちまたで話題の
上流階級の連 ...
奈落の声(三浦綾子)
手元にないので詳細は違うかもしれません。
旅芸一座の座長の子K。
父は酒・浮気・暴言暴力の最低男で、母はそんな夫に耐えられずKを置いて出ていった。
旅芸ゆえKは次々に小学校を転校させられ、行く先々でいじめに遭っていたのだが、
新しい転校先では ...
ノアの子孫(リチャード・マシスン)
午前3時、車で旅行中のA氏は海岸部の陰気な町を通り掛かった。
【B…/67】と、町名と人口を示す標識がある。
制限速度の標識を無視してスピードを上げた途端、
パトカーが追い掛けてきて停止を命じた。
内心舌打ちしながら警官に免許証を渡し、尋問に答える。 ...
ニンジャスレイヤー/コロス・オブリヴィオン(ブラッドレー・ボンド、フィリップ・ニンジャ・モーゼズ)
前回の反省を踏まえ専門用語少な目に行きます。
近未来都市ネオサイタマでは、
ニンジャ(人智を超えた身体能力、超能力を持つ超人。忍者というよりアメコミの超人に近い)
による連続寺院襲撃事件 ...
ニンジャスレイヤー/エヴァー・フェルト・チーティド(ブラッドレー・ボンド、フィリップ・ニンジャ・モーゼズ)
とりあえずは、用語説明から。
ネオサイタマ:東京湾を埋め立てた都市。科学技術が発達しているがモラルは荒廃している。
ニンジャ:古代日本を支配していたニンジャの魂が憑依し、超人化した人間。
ニンジャ ...
日記帳(江戸川乱歩)
内気でプライドの高い青年が病死した。
兄が遺品の日記帳をめくって故人を偲んでいると、
弟は遠縁の美しい娘、雪枝さんに時々手紙を出していた事がわかった。
おや、と思って手文庫を探ると、
雪枝さんからの絵葉書が大切に紙に包まれて、一番下に安置されている。
文面 ...
何でも見てやろう(小松左京)
「何でも見てやろう」をモットーに、カメラマンから世界的な冒険家になった男。
彼はどんな窮地からも無傷で生還する事で有名だった。
のちに戦場カメラマンになり、様々な報道写真で受賞した。
戦局がエスカレートし、世界中で核戦争が起きたが彼だけは爆心地にいても無傷だった。
夏の葬列(山川方夫)
それは主人公のよく知る人物によく似ていた
戦時中のこと、主人公に親切にしてくれるお姉さん的存在の女性がいた
ある日主人公がひとりでいる時に敵軍の飛行機がやってきた
とっさに身を屈めた時、その女の子が主人公を庇うように覆い被さっ ...
肉食の食客(森村誠一)
父は、おじを憎んでいた。普通の兄弟ではない。
厳格で教養深い祖母と違って、無教養で不器量な使用人の女と祖父が通じて生まれた子だ。
地元の名家に相応しく、規律正しく優秀な父の兄弟たち。
そのなかで異質に、おじは三流大学を出た後、職にも就かない。
だらだらと、いつま ...