キャリー

710 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/03(月) 04:22:23.83
S・キングの処女作「キャリー」

キャリーはいじめられっ子の高校生。
狂信的なキリスト教徒の母親のせいで、男女交際など以ての外、
乳房の存在すら悪いものだと言われて育ってきた。
だが、普通の女子高生のように恋をしたりおしゃれをしたりしたい。
そんな彼女の本心を知っていたわけではなかったが、クラスメイトの一人が自分の彼氏に
「キャリーを卒業パーティ(プロム?)のパートナーとして誘ってあげて」と頼む。
イケメンで人気者で優等生の彼氏は快諾し、キャリーはイケメンとパーティに行くことになる。
芋臭かったせいで誰もわからなかったが、本当は美形のキャリーにみんなが驚き、
イケメンに至っては本来の彼女のことを忘れ
「僕はキャリーを愛している!」とまで思う始末。
イケメンのパートナーになり、今までは構ってもくれなかったクラスメイトと談笑することも出来、キャリーは幸せだった。

そして、パーティのベストカップルとしてキャリーとイケメンが選ばれ、壇上に上がることになる。
だが壇上には、キャリーをいじめたという理由で学校側から卒業パーティへの参加を禁じられた女生徒の悪意で
豚の血が入ったバケツが用意されており、壇上に上がったキャリーの頭上に豚の血が降り注ぐ。
何が起きたのか理解は出来ないのだが、パーティの参加者は笑い出す。
キャリーはそれを自分への嘲笑だと受け取りブチ切れて、生来持っていた超能力で街を破壊しまくり、
同級生始め市民をブチ殺しまくりながら母親の待つ家に向かう。
が、結局母親に刺され、相討ちのような形で死亡

キチガイの母親のせいでいじめられて、結局その母親に殺されてしまうのが後味悪かった。
かなり昔のアメリカが舞台なのに、キャリーみたいな子は
今の日本にもいるんじゃないかと思うくらいに細かくリアルな描写が良い意味で嫌だった。


711 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/03(月) 04:29:12.53
なんか要約するとわけわかんないね…ごめん
本当は母親のキチガイっぷりとか、それでも母親に逆らえないキャリーの心理とか、
イケメンにキャリーを誘うように行った女の子の事情とか本心とかも描かれてて、
その豚の血のことさえ無ければみんなが幸せだったはずなのに…
と思わせてくれてすごく後味が悪いんだよ。要約だけでそれを上手く伝えられないのが申し訳ない。

712 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/03(月) 07:49:58.40
いやいや、説明に過不足なしで分かりやすくて面白かったです。GJ!
キャリーはタイトルとあらすじしか知らなかったけどそんな落ちなんですね~
抑圧した理由は超能力を目覚めさせないためってわけじゃなくて
単にガチのキリスト教だったからってのがまたもやもやするね
宗教でも区別という名の差別も反対する方が悪いみたいになっちゃうもんな…

713 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/03(月) 09:04:47.29
おかんは娘に性的な事は全て悪魔の堕落だと洗脳し
生理の事も汚らわしい事として一切教えなかったから
キャリーは何も知らず、学校でシャワー浴びてるときに股間から血が流れ出て
びっくりして怯えて泣き叫ぶんだよね
それを女生徒たちが面白がってはやし立てていじめまくるんだよ
それ以来キャリーは「鮮血」が怖い
だからいじめっこの男女が豚の血(宗教概念では汚らわしい物とされている)を
キャリーに脳天からぶちまけたときに
全てが崩壊したんだよね
キャリーはほんとうに親からめちゃくちゃな宗教概念植えつけられた可哀相な子だった
母親ほんとにキチガイだった
抑圧して抑圧して
でも母さんあなただってセックスして子供を、私を作ったんでしょう!とキャリーが最後に叫んだら
「あれはレイプだった、何度も何度もおまえの父さんはあたしをレイプしたんだよ
でも、ああ、なんて悪魔的で気持ちが良かったんだろう、感じたの。感じてしまったのよああ、ああっ」、
とか身もだえしながら陶酔した顔で言っちゃうババア

717 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/03(月) 11:24:24.80
>>713
小説版だと、それに加えてエピローグで
「この子はあのできそこないなんかよりずっと凄いんだ、あたしには判るんだよ。
 この子を本当に清らかな天使に育ててみせる」
だったような・・・>おかん

映画版のラストだとダンスパーティでキャリーと友達になった子が
「キャリーの墓参りに行ったら墓から出てきた手に引きずり込まれる」な悪夢を見て飛び起き、
母親に真っ白い部屋で宥められる(=発狂?)だそうなんで違うほうに後味悪し。


724 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/03(月) 15:50:29.52
スティーブン・キングの書く話って大抵、
読者が応援したくなるようなキャラとか、
生き残って欲しいと思わせるキャラが脇役で出てくるよな。
で、しっかり殺されるから、ああぁー……な気持ちになる。

740 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/03(月) 21:50:56.29
乗り遅れたけれど「キャリー」の話題。手の届く範囲に本がないのでうろ覚えで書くけれど、
キングの話によると、キャリーのモデルとなった高校生が二人いたらしい。
もちろん超能力があるではなく、いじめられっこということ。
そのうち一人は、富くじマニアの家庭に育っていて、親はくじで当てた高級車を乗り回す一方、
子供はぼろぼろの服を着せられていた。
女子高生となった子供は、「なんとなく鬱陶しい」という扱いを受けていた。
ある夏、その女子高生は変身した。
アルバイトで貯めた金で買った素敵なワンピースを着て、身だしなみにも気を遣い、かわいらしい女子学生になった。
周囲は、それを受け入れず、男女とも彼女に対して苛烈ないじめを始めた。
皆、醜いあひるが白鳥に変身することを許さなかった。
一張羅の素敵なワンピースはだんだんぼろぼろになり、
汗染みができ、彼女はそれでもそのワンピースを着続けた。
彼女がまた薄汚れた状態に戻ったとき、いじめは元の「鬱陶しい」相手に対するもの程度に収まった。

キングが高校教師をしていた頃の学生だったらしい。後にキングが調べたところ、彼女はその後不幸な結婚をして、
自殺したらしい。もう一人のモデルも死んでいたとのこと。
アメリカのスクールカーストこえーと思った。プロムという制度も恐ろしい。

 

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