はぐれ刑事純情派

749 名前:本当にあった怖い名無し :2012/05/27(日) 22:48:40.06
20年程前の刑事もの『はぐれ刑事 人情派』の
エピソードの一つが遣るせなかったな。

このシリーズは基本は故藤田まこと演じる、
心優しい安浦刑事の人情捕物で最後はほのぼのと終わる場合が多いけど
たまに欝エンドがあってその一つ。

ある日、優秀な福祉介護ケースワーカーのA子の遺体が
石段下の道端で発見される。
遺体の状況と側に倒れていた自転車から、A子は土手上を
自転車に乗っていて何かの理由で転倒、その拍子に石段から
転げ落ちて首の骨を折って即死したとされ
最初は自損事故と思われたが、後頭部に軽微だが事故の直前に
受けたらしき傷が発見され、殺人も視野に入れた捜査が始まる。

A子が殺される理由も、A子を知る人達(家族、PTA、職場関係者)から
称賛されこそすれ、誰一人としてA子を悪くいう者は居ない程で、
A子は完璧な妻であり母であり、同僚であり、特に福祉ケースワーカーとしても
真剣に取り組んでいて、担当の要介護者の生活向上の為に
時間外の訪問も嫌わないほど熱心に活動していて、
当日も担当のB父娘の家庭を、時間外訪問をした帰りに
事件に遇ったらしい事がB娘(40代)の証言で判った。


754 名前:749 :2012/05/27(日) 22:57:53.65
続き
このB娘は、A子に勝るとも劣らない評判の良い女性で美貌の持ち主だが、
寝たきりの実父を自ら望んで20年以上も自宅介護続けながら、
パート勤めをしているので、婚期を逃していたが心優しく、
とてもA子の事件に関わりがあるようには見えなかったが、
安浦刑事はB父娘の怯えた態度が気にかかった。

そんな時、捜査が進むうちに少しずつ周りのA子に対する証言が変わってきて
確かに有能で熱心であり、行動は全て正しく完璧であったがために、
他人にも同様な完璧さを求め、それが出来ない人達に対しては辛辣だったり、
曖昧さを認めないので、一部の利用者からは
煙たがられていた面もあった事が判る。

安浦刑事はB父娘を訪れて「あの日に何があったか事実を話して欲しい」と頼むと
突然、身動きもままならないB父が回らない口調で「長生きし過ぎた自分が悪い」と訴え、
それを聞いた娘も「お父さんのせいじゃない」と泣きながら事件の詳細を話出した。

あの日、B娘はパート先で若い同僚達から年齢の事や
(介護で)お洒落もしない野暮ったい姿を馬鹿にされたりして心身共に疲れきって
自宅に帰ってきたところ、父親が僅かに動く身体で自殺を図っているのを見つけて
必死で止めたものの、今までのストレスが爆発して「もう解放されたい」と
咄嗟に父親の顔に枕を押し付けてしまった。


755 名前:749 :2012/05/27(日) 23:00:05.48
続き
勿論、直ぐに我に返って枕の力を弱めたが、折り悪くその現場をA子に目撃され
「父親殺し」と罵倒された上、殺人未遂犯として警察に通報すると通告され、
必死で謝って「もう二度とこんな事はしないから見逃して欲しい、
今、自分が捕まったら父はどうなるのか」と頼んだが
「父親を手に掛けようとする人でなしが何を言うのw」と一蹴して自転車で去って行く
A子に対して思わず「あなたにこの辛さの何が判るの!?」と
小石を投げつけたら、それが運悪くA子に命中してしまい、転げ落ちたのを見て
怖くなって逃げてしまった。

亡くなったと知って自首をしなくては、と思ったが後に残される父親の介護を思うと
決心がつかなかったという。
安浦刑事はB子を出頭という形で少しでも罪が軽くなるように図って事件は解決。

でも、A子が殺されたのはある種の自業自得のような描き方だったけど、
融通が利かなかったにせよ、彼女なりに職種を全うしようとしただけで、
現にもう少しで父親を殺しかけたのは事実だし
A子の夫や小学校低学年の息子にとってはかけがえのない家族を奪われて
この扱いはないだろ…と、ちょっと釈然としない気がしたっけ。


759 名前:本当にあった怖い名無し :2012/05/27(日) 23:25:56.45
>>755
殺意が全くなかったから未必の故意で無罪になりそうなケースに思えるんだけど
裁判官の裁量次第だけど

760 名前:本当にあった怖い名無し :2012/05/27(日) 23:43:07.98
>>759
でも逃げちゃってるからね。その辺の心証がどうなるか。
匿名ででも救急車呼んでおけばまた違ったろうけどな。