バイオレンスジャック/奴隷農場編(永井豪)
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974 名前:バイオレンスジャック1/2 :2012/07/05(木) 01:20:54.01
- 永井豪のバイオレンスジャック「奴隷農場編」
大震災で壊滅した関東地方を舞台にしたオムニバス群像劇。
奴隷農場は関東を支配する暴君スラムキング直轄の巨大農場で
関東各地から拉致された人々が奴隷としてこき使われ、虫けらのように殺されていた。
この章の主人公・網走菊之助は学ラン姿の小汚い少年で拉致されて農場に放り込まれたが
農場側の兵士(もろ北斗の拳のヒャッハーなモヒカン)にも臆せずものを言うので
気に入られており、奴隷の中でも使いパシリで比較的待遇は良く、かなり自由に動ける立場だった。
ある時ジャック(この物語の主人公の大男)が農場の罠にかかり気絶していた。
農場の支配主・仮面の大男クラーケンはジャックの目を潰し奴隷として扱う。
菊之助は自主的にジャックを世話し、独自に各部所の奴隷たちと連携を取り合いクーデターを計画する。
話はそれらの流れと菊之助の過去とが交互に描かれる。
網走菊之助とは偽名で本名は菊野雪。菊之助は少女だった。
シングルマザーに育てられた菊之助は幼い頃、父親である893が網走刑務所で亡くなった事を知る。
母親はその知らせに発狂、勝手に孕まされ人生を台無しにされた怒りを娘にぶつけ
「憎いあいつの血が流れたお前にその証明を刻んでやる」と
菊之助の背に“網走極悪人”の刺青を彫った。その後母も死亡。
菊之助の学生生活はさんざんで、刺青がばれては転校の繰り返し
本人もやがて冷たく無感動な性格へと変貌する。
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975 名前:バイオレンスジャック2/2 :2012/07/05(木) 01:25:06.57
- しかし今度の転校先には何かと自分に良くしてくれる白根雪という同級生がいた。
彼女は刺青の事を知っても優しく接してくれるばかりか
みなしごで刺青のハンデがある菊之助に何かとセクハラしようとする担任から守ってくれる存在。
菊之助は白根に心を開き、やがて二人は結ばれる(百合)
しかししばらくして白根は自殺。菊之助と愛し合う現場を担任に見られ
それをネタに揺すられ、レイプされた事が原因だった。
菊之助は白根の仇を討とうと担任殺害を狙うが、返り討ちにあい
レイプされそうになったところで謎の男三人に助けられる。
彼らは菊之助の異母兄弟で天涯孤独だと思っていた菊之助は素直に喜ぶ。
しかし幸せも束の間、翌日関東大震災が起こり喫茶店にいた長兄と弟は死亡、
大柄な次男のみが記憶は失い生き残った。
その次男こそが奴隷農場の支配者クラーケンであり、仮面や普段接点がないため
クラーケンも菊之助もその事には気付いていない。
クーデターは水面下で着々と進み、ついに奴隷軍は回復したジャックを立てて反乱を起こす。
数々の犠牲を払いながらも外部の助けもあり、農場側は押されていく。
クラーケンは部下たちに仮面を外し逃げ延びるよう進言されるが、
記憶のない自分にとってはここが居場所だと最後まで戦う決意する。
ジャックと一騎打ちになり敗北するクラーケン。
地面に叩きつけられたショックか、記憶を取り戻し最期に目にしたのは
妹・菊野雪が仲間の奴隷たちと手を取り合い、勝利を喜ぶ姿だった。
ラスト、菊之助はこの地に残り、関東復興の力を貸してほしいと懇願されるが、
断り、兄弟探しの旅に出る。
「生きているのか、死んでいるのか全く分かりません。
それでも俺自身が納得できるまで探しつづけたいのです。
大切な人たちだから」