ペール・ゴリオ(バルザック)
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40 名前:1/2 :2012/07/07(土) 11:43:15.99
- バルザック「ペール・ゴリオ(ゴリオ爺さん)」
ゴリオ氏は元製麺業者。
夫人の死後、娘二人の成長だけが生き甲斐だった。
年頃になった娘に過大な持参金を与えて大貴族に嫁がせ、親の義務は終わったと称して引退した。十分な資産を確保し、下宿屋(賄いつきアパルトマン)で楽隠居…のはずが、娘二人はたびたび金をせびりに来る。
金をせびる時にしか顔を出さないのだが、ゴリオ氏は目尻を下げて言われるままに大金を渡す。
ゴリオ氏は困窮し、今では屋根裏部屋(一番安い)に移って
下宿屋の女将からは(ゴリオさん、ではなく)ゴリオ爺さんと呼ばれている。死の床についたゴリオ爺さんを、見るに見かねた下宿仲間の上京青年と医学生(どちらも貧乏)が介護する。
娘二人は寄り付きもしない。大手の製麺業者だったゴリオ爺さんは、教会墓地ではなく共同墓地に埋葬される。
娘二人はとうとう現れなかった。
埋葬に立ち会ったのは上京青年と医学生だけ。身分違いのところに娘をやっちまったからなー。しょうがないかなー。
娘も最期に嘘泣きぐらいしてやれ。
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41 名前:2/2 :2012/07/07(土) 11:44:50.01
- 上京青年の名ははラスティニャック、バルザックのレギュラーキャラの一人。
後に政財界の黒幕となる。
医学生の名はビアンション、やはりレギュラーキャラの一人。
後に高名な医学博士となる。ラスティニャックは田舎の貧乏貴族の息子で、一旗揚げようと上京した。
遠縁の女性がパリの大貴族に嫁いでいたので、後ろ盾になってもらう。
「お姉様!僕は貴女の親戚なんです。どうか僕を哀れんで、庇護してください」
その上流夫人は、「妹分」のゴリオ次女の愛人になればいい、と示唆する。
「貴方は可愛い顔をしているから気に入られると思うわ、このあたくしの親戚でもあるのだから」
ゴリオ次女は金持ちとはいえ平民出身だから、上流夫人と近づきたがっている、という理屈。その上流夫人は後に、社交界の愛人に捨てられて田舎の領地に引っ込む。
最後、ゴリオ爺さんの埋葬を終えたラスティニャックは、共同墓地からパリの街を見下ろして叫ぶ。
「待っていろよ、俺とお前(パリ)と一対一の勝負だ!」
そしてゴリオ次女とのディナーのため、いそいそとパリに戻る。現代の日本人にはわからん。
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42 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/07(土) 13:08:40.14
- 良くも悪くもドライだよね
同じ下宿に住んでいたよしみで世話はするし埋葬にも付き添うけど、
それ以上に爺さんを哀れんだり娘の行く末を案じたりはしない
もちろんそんな義務もないしね
爺さんは娘のために頑張ったと思いながら死ねたからまだいいかな
薄情な娘どもも本当の上流階級社会では苦労してるみたいだし