ぼっけえ、きょうてえ(岩井志麻子)
ある女郎、女将のダイヤの指輪を盗む。
仲良しの頭の弱い朋輩が疑われ折檻されたが、
犯人じゃないから白状しようもなく、とうとう殺された。
彼女も折檻に加わった。
(ウム、お前は友達と思っていた女郎に裏切られ
濡れ衣をきせられて ...
春の寓話(星新一)
エル氏は散歩中小鳥に話しかけられた。
聞けば、小鳥は元はこの地方のお姫様、美しさを妬まれ小鳥に変えられてしまったとか。
呪いの期限が終わるので術を解いてほしい、
高価な材料が必要だが埋蔵金の小判の在処を知っている、
あなた様なら小判を盗んで逃げるような卑怯な真似はな ...
ポドロ島(L・P・ハートリー)
若夫婦とその男友達。
男は夫に言われて、ワガママな妻のお守り役を務めている。
退屈した妻は、男の話に出た近くの小島へのピクニックを提案する。
男は、見るだけなら綺麗だが何もないつまらん島だと反対するが、
妻は反対されると意固地になるやっかいな性格。
しょうがない ...
秘密(筒井康隆)
人を驚かすのが好きな少年がいた。
物陰に隠れて、通りかかった人の前に「わっ!」と現れて反応を楽しむのだ。
ある日、少年は家の玄関に隠れて誰かがやって来るのを待っていた。
人の気配を感じた少年はいつものように「わっ!」と飛び出した。
少年の祖母が酷 ...
ハッピー・リタイアメント(浅田次郎)
読んだのは結構前なんでうろ覚えだが。
主人公は定年を迎えた官僚。
官僚にしては珍しく(?)スキャンダルなどもないまま真面目に勤め上げてきたのだが、
上の命令で強制的に天下りさせられる。
天下り先の会社で同じく不本意ながら天下りしてきた官 ...
弁天さま(筒井康隆)
ある夫婦の寝室に弁天様光臨
↓
夫とのセークスをご希望
↓
妻内心面白くないものの、ご利益があるかもと承諾
↓
夫と弁天様がなんかすごい感じに
↓
弁天様は満足してお帰りになるがそれだけ。 ...
はやぶさの孤島(ジョン・クリストファー)
婚約中の美男美女カップル、パーティーで50がらみの紳士M氏と出会う。
数週間後、カップルの男の方が轢き逃げで死亡。
M氏は悲しみにくれる女の家を弔問に訪れ、慰める。
M氏は以後月に1~2度女宅を訪れ、礼儀正しく慰め、
泣きたい時 ...
ぼくたちは見た!(眉村卓)
60年代に書かれた作品。
主人公である高校生の「僕」の手記という形式の小説だ。
「僕」の学校の校庭に、ある日突然UFOが着陸し、
緑色の小人のような宇宙人が下りてきた。
「地球の皆さんと友達になりに来ました。
宇宙船 ...
不可解な理由(スタンリイ・エリン)
一流大企業A社の中間管理職、ラリーは珍しく長距離バスに乗った。
地下鉄を使うつもりはないのでバスターミナルでタクシーを拾うと、
運転手はかつての同僚ビルだった。
ビルは部長補佐にまで出世したが組織再編で早期退職に追い込まれ、
家を売り、ラリーも ...
ビアンカの手(シオドア・スタージョン)
田舎町の食料雑貨店で働く青年は
ある日、母親に連れられた白痴娘の手に魅せられた。
娘はデブスで汚ならしかったが、手は形よく雪のように白く桜草のようにピンク色だった。
店主に訊ねると、あれはビアンカ、一緒にいるのはビアンカの母親、名前などない。
ただのビアンカの ...